電動モビリティの世界最大手「Lime」が再上陸、日本の街並みで“ライムグリーン”が存在感を高められるか

AI要約

2020年のコロナ禍をきっかけに戦略転換を図ったLimeが日本市場に再上陸し、三井住友海上火災保険と提携するなど、新たな展開を見せている。

Limeはマイクロモビリティのシェアサービスで世界最大手であり、自社開発や地域連携を重視して業績を伸ばす方針を示している。

Limeはカーボンフリーで手頃な価格の交通手段を提供し、気候変動対策と環境に優しい都市交通の実現を目指している。

電動モビリティの世界最大手「Lime」が再上陸、日本の街並みで“ライムグリーン”が存在感を高められるか

 東京の街並みを走るLUUPの水色のキックボードはもはやお馴染みの光景となったが、これからはライムグリーンも目に入るようになるだろう。電動マイクロモビリティのシェアサービスで世界最大手のLimeが日本に再上陸した。

■コロナ禍をきっかけとした戦略転換

 同社は9月6日、戦略発表会を実施した。8月末に日本市場に再参入して以来初の大きな発表会で、Lime日本法人のカントリーマネージャー兼アジア太平洋地域統括責任者のテリー・サイ氏と、親会社Neutron Holdingsのウッディ・ハートマンCOOが登壇。最初の包括的提携として、三井住友海上火災保険との提携が発表された。

 Neutron Holdings(Lime)はマイクロモビリティのシェアサービスで世界最大手の企業だ。2017年の創業以来、急速に事業を拡大し、現在は世界32カ国、280以上の都市でサービスを展開している。ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、ドバイ、シドニーなど、世界の主要都市で事業を行っている。

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 しかし、2020年のコロナ禍で大きな打撃を受け、多くの市場から撤退を余儀なくされた。12の重要市場からの撤退や従業員の14%のレイオフを実施し、CEOの交代も行った。この危機を契機に、Limeは戦略を大きく転換。モビリティの自社開発や地域との連携強化を重視する方針へと舵を切った。

 この戦略転換が功を奏し、2022年にはグローバルベースで黒字化を達成。2023年には業界トップの座を確固たるものとし、アクティブユーザー数で最も近い競合他社の2倍以上の規模に成長した。2023年の実績では、年間1億5000万回(1秒あたり5回)の利用があり、総収益は6億ドルを超えた。また、1億ドル以上の調整後ユニット収益を達成し、高い収益性も示している。

 Limeは現在、カーボンフリーで手頃な価格の交通手段を提供することをミッションとし、気候変動対策の一環として、より効率的で環境にやさしい都市交通の実現を目指している。