1000馬力オーバーの純エンジン量産車も存在！ じつは1リッターで1000馬力のエンジンも作れるってマジ!?
コルベットZR1はアメリカを代表するスポーツカーで、ミッドシップにV8 DOHCツインターボエンジンを搭載し、最高出力1064hpを誇る。
エンジンのスペックや出力は驚異的で、リッターあたりの出力は218.5馬力となり、スーパースポーツバイクを凌駕する性能を持つ。
大排気量であることはエミッション性能や耐久性を担保する理由もあり、アメリカ自動車業界の底力を感じさせる。
アメリカを代表するスポーツカー「コルベット」は、長らくFRレイアウトであることがアイデンティティとなっていたが、現行モデルからはミッドシップを採用するなど、よりピュアなスポーツカーとして進化している。
それでも大排気量V8エンジンを心臓部に選び続けているのはアメリカンスポーツカーのプライドといえるだろう。
そんなコルベットの最新にして最上のパフォーマンスをもつ「ZR1」においても、その伝統は健在。ミッドに積まれるエンジンはV8 DOHC「LT7」ツインターボとなり、最高出力1064hp（873kW）／7000rpm、最大トルク828lb-ft（1123Nm）／6000rpmを誇る。
さらに細かいスペックを見ていけば、圧縮比は9.8:1。ドライサンプ式のオイル系となっているのも見逃せない。ボア×ストロークは104.25mm×80mmと公表され、総排気量は5430ccとなる。
前後に高出力モーターを配したパフォーマンス系EVではシステム最高出力1000馬力というスペックも珍しくないが、エンジンだけで1000馬力越えは驚きだ。
しかも1064hpという最高出力は、いわゆる英馬力であって、日本ではおなじみのpsとは微妙に異なる。国際的な共通単位であるkW値から逆算すると、コルベットZR1の最高出力は1187馬力となる。リッターあたり出力を計算すると218.5馬力だ。
ターボエンジンとNAエンジンを比べるのはアンフェアかもしれないが、国内の二輪における最高スペックを誇るホンダのスーパースポーツ「CBR1000RR-R」が積む999cc 4気筒エンジンの最高出力は218馬力（160kW）である。
鈴鹿8耐で勝つようなスーパースポーツバイク以上のリッターあたり出力を持つ大排気量V8エンジンというのは、まさに驚きであるし、アメリカ自動車業界の底力を感じさせる。
たしかに量産車に搭載されるパワーユニットに求められるエミッション性能（排ガス浄化性能）や耐久性を考えると、大排気量でなければエンジン単体で1000馬力以上を絞り出すことは難しいかもしれない。
