米銀行業界は第2四半期に増益、商業用不動産などに懸念も=当局

AI要約

米国の銀行業界は第2四半期に増益を記録し、利益が11.4%増の715億ドルになった。

ただし、商業用不動産やクレジットカードの借り入れにストレスの兆しが見られるという懸念も残っている。

新たに3行が「問題銀行」リストに加わり、業界全体の1.5%を占めている。

米銀行業界は第2四半期に増益、商業用不動産などに懸念も=当局

Pete Schroeder

[ワシントン 5日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)は5日、国内銀行業界は第2・四半期に増益を記録したものの、商業用不動産やクレジットカードといった分野で懸念が残っていると指摘した。

FDICによると、経費の縮小と非金利収入の増加を背景に同四半期の銀行セクター利益は11.4%増の715億ドルとなった。

一方で、商業用不動産やクレジットカードの借り入れにストレスの兆しが見られるという。

FDICのグルーエンバーグ総裁は記者会見で「業界は安定しており、引き続き底堅いものの、脆弱性も潜在する」と述べた。

銀行監督当局は商業用不動産セクターの低迷を注視。パンデミック(世界的なコロナ大流行)の影響を受けたリモートワークの拡大に起因する空きスペースが問題になっている。

消費者関連では、クレジットカードの純貸倒償却率(銀行が回収を見込んでいないクレジットカード残高の実質的な割合)が4.82%に上昇し、2011年以降で最高となった。

FDICによると、新たに3行が「問題銀行」リストに加わった。このリストには現在66行(総資産830億ドル)が登録されており、セクター全体の1.5%を占める。危機ではない時期には全体の1─2%を占めるのが一般的という。