〔NY外為〕円、143円台前半(5日)

AI要約

ニューヨーク外国為替市場では、円相場が上昇し、米経済指標の影響が見られた。

ADPの全米雇用報告が市場予想を下回り、円高・ドル安の流れとなった。

一方、ISMのサービス業PMIが予想を上回り、ドルを買い戻す動きも見られた。

 【ニューヨーク時事】5日のニューヨーク外国為替市場では、強弱まちまちな米経済指標を受けて売り買いが交錯する中、円相場は1ドル=143円台前半に上昇した。午後5時現在は143円39~49銭と、前日同時刻(143円70~80銭)比31銭の円高・ドル安。

 米民間雇用サービス会社ADPが朝方発表した8月の全米雇用報告は、非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は前月比9万9000人増と市場予想を下回った。雇用情勢の軟化が改めて浮き彫りとなったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月、大幅な利下げに踏み切るとの観測がくすぶり、米長期金利が低下した。

 日米金利差縮小を意識した円買い・ドル売りの流れが進み、円相場は一時142円台後半まで上伸し、8月上旬以来の約1カ月ぶりの高値水準を付けた。

 一方、米サプライ管理協会(ISM)が公表した8月のサービス業購買担当者景況指数(PMI)は51.5と、前月から0.1ポイント上昇。予想も上回り、米経済の底堅さが意識され、ドルを買い戻す動きが広がった。

 市場参加者は「翌日に8月の雇用統計発表を控える中、様子見だった」(邦銀)と振り返った。

 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1105~1115ドル(前日午後5時は1.1077~1087ドル)、対円では同159円28~38銭(同159円23~33銭)と、05銭の円安・ユーロ高。