米貿易赤字、2年ぶり水準に拡大-港湾労働者ストの可能性で輸入急増

AI要約

米国の貿易赤字が7月に2年ぶりの高水準に拡大し、財の輸入が急増した。港湾労働者のストライキの可能性やホリデー商戦に向けた在庫確保が背景にある。

輸入額は2.1%増加し、2022年3月以来の高水準。輸出額は0.5%増加。貿易が再びGDPの重しとなることが示唆されている。

財の輸入は広範に及び、自動車輸出の減少が輸出を抑制。対中赤字も拡大し、統計詳細は表で確認できる。

(ブルームバーグ): 米国の貿易赤字は7月、2年ぶりの水準に拡大。財の輸入急増が影響した。港湾労働者がストライキを実施する可能性があり、その前に十分な供給を確保しようという企業の取り組み強化も背景にある。

輸入額は2.1%増加し、2022年3月以来の高水準。輸出額は0.5%増えた。データはインフレ調整されていない。

7月の貿易赤字は、貿易が再び国内総生産(GDP)の重しとなることを示唆している。4-6月(第2四半期)のGDPにおける貿易の寄与度は、2022年初め以来の大幅なマイナスだった。財の輸入増加は、9月末に実施される可能性のある東海岸とメキシコ湾岸の港湾労働者によるストライキに備え、米企業が在庫確保に急いでいることを示している。

さらに、小売企業はホリデー商戦に向け現在仕入れを増やしている。その結果、西海岸への海上輸送量が急増。ロサンゼルスとロングビーチの港湾では7月、過去3番目に好調な月となり、2021年5月に記録した過去最高をわずかに下回る水準だった。ロサンゼルスとロングビーチの港湾は、米国のコンテナ輸入全体の約3分の1を占める。

インフレ調整済みベースでは、財の貿易赤字は7月に976億ドルに拡大し、22年6月以来最大となった。

財の輸入も22年6月以来最大で、工業製品や資本財、消費財など広範に及んだ。輸出総額は、自動車輸出の減少により抑制された。

旅行収支は、輸出に相当する受け取り(米国への渡航者による支出額)がほぼ変わらずの177億ドル。輸入に相当する支払い(米住民による国外での支出額)は1.8%減となった。

財の対中赤字は272億ドルに拡大し、2022年9月以来最大。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Trade Deficit Widens to $78.8 Billion, Largest in Two Years(抜粋)

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