エヌビディア株、100ドル割れで潮目に変化か-市場で高まる警戒感

AI要約

エヌビディアの株価急落により、市場では警戒感が高まっている。テクニカル面では100ドルが注目水準とされ、投資家の期待に応える材料が不足していると指摘されている。

現時点ではエヌビディア株は短期的には不透明な状況が続いており、決算や経済指標発表などの要因により市場は不安定になっている。

ただし、長期的にはエヌビディア株には前向きな見方が続いており、投資家の関心は高い状態が続いている。

エヌビディア株、100ドル割れで潮目に変化か-市場で高まる警戒感

(ブルームバーグ): 半導体大手エヌビディアの時価総額が3日に2790億ドル(約40兆5000億円)吹き飛んだのを受け、市場では同社の株価が今後どこまで下がる可能性があるかについて警戒感が高まっている。

フリーダム・キャピタル・マーケッツのチーフグローバルストラテジスト、ジェイ・ウッズ氏は、注目すべき重要な水準は100ドルだと指摘する。終値ベースでの8月安値の付近だ。

ウッズ氏は「エヌビディア株が8月の安値を下回れば、少なくともテクニカル面では潮目の変化を示唆する」とし、「100ドル前後で買いが入り、そこから少しの間は横ばいで推移するだろう」と述べた。

直近の下げ(3営業日で14%下落)は、先に発表した売上高見通しが投資家の高い期待に届かなかったことが引き金となった。3日には人工知能(AI)に対する企業の支出に警戒感を示す調査リポートが2つ出され、投資家の動揺はさらに大きくなった。引け後にも悪いニュースは続き、米司法省が反トラスト法(独占禁止法)調査の一環として同社に文書提出命令状を送付したとブルームバーグが報じた。

エバコア・ウェルス・マネジメントのポートフォリオマネジャー、マイケル・カークブライド氏は、エヌビディア株にとって問題なのは、明るい材料が提供されそうな予定が当面は見当たらないことだと語る。

同氏は「われわれは現在、ちょっとした空白の時期にいる。決算を通過した一方で、9月は多くの経済指標発表が控えている」とし、「そうした空白状態にある時は、非常に短期的で向こう見ずな相場になる」と語った。

3日の急落により、エヌビディアの株価が1日で6%を超える変動となったのは過去2カ月で7回目となった。ブルームバーグがまとめたデータによると、エヌビディア株の30日ボラティリティーは2022年半ば以来の高水準となっている。

ただ、フリーダム・キャピタルのウッズ氏もエバコアのカークブライド氏も、長期的にはエヌビディア株に引き続き前向きだ。