バカバカしさが面白い!? 走るクーラーボックスでビーチを満喫

AI要約

猛暑の夏を過ごす中で感じる寂しさと夏の風物詩の変化

海水浴客の減少や夏のビーチの様子の変化について

自作の走るクーラーボックスで楽しむ夏の日常

バカバカしさが面白い!? 走るクーラーボックスでビーチを満喫

 猛暑だ酷暑だと、散々暑い夏を酷評してきましたが、いざ秋の気配が迫ってくると寂しいものです。僕(筆者:木下隆之)は個人的に、締め付けられるのは規則やモラルだけではなく、ベルトやジャケットだって苦手な性格ですから、短パンTシャツで過ごせる夏は大好物なのです。

 神奈川県の海に面した漁村に住んでいることもあって、ほとんど毎日のように砂浜を眺めています。愛車のホンダ「モンキー50」で近所をプラプラしながら定点観測するかぎり、夏の風物詩のビーチも、多少は空いてきました。

 メディアの報道によると、海水浴客は全国的に減少しているようです。遊びが多様化したこともその理由でしょうし、少子化も影響しているに違いありません。なおかつ致命的なのは、激烈な温暖化ですね。あの炎天下にコパトーンを塗って日光浴など、自殺行為でもあります。

 もっとも、かつてのビーチは芋を洗うような混雑で、それもどうかと思いますから、海好きの1人としては塩梅が良いかもしれません。

 僕は神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜ビーチに、贔屓にしている海の家「パパイヤ」があります。今年も頻繁にここへ通いました。

 と言っても、海の家で入り浸っているわけにもいきませんので、砂浜にパラソルを立ててノンビリするわけです。もちろんクーラーボックスに冷やしたドリンク類を詰め込んで……。

 そのちょっとした移動の足としているのが、「走るクーラーボック」です。海水浴に来ても、動力源のある乗りものから離れられないタイプです。クルマでビーチインは禁止されていますし、バイクで乗り付けるのもNGです。ですが、クーラーボックスタイプの電動3輪スクーター(?)ならば文句はあるまい……というわけです。

 プラットフォームと言いますか、フレームと言いますか、ベースは一般的なクーラーボックスですが、前後に小さな車輪を備えた3輪タイプに改造されています。動力は電気モーターです。クーラーボックスに腰掛けて、ハンドルに組み込まれたスロットルスイッチを親指で押せば進むのです。

 速度はたかが知れています。子供が小走りした程度です。それでも、重いクーラーボックス抱えてビーチまで運ぶ労力を考えれば助かりますよね。

 ただし、ちょっとした不満があります。バッテリーはクーラーボックスの中に押し込まれています。防水のために冷えたドリンク類とはセパレートしていますが、クーラーボックス本来の使い方である保冷のスペースが侵食され、約半分になってしまっているのです。冷えたドリンクを運ぶためのクーラーボックスなのに、冷えたドリンクがほとんど入りません。本末転倒です。

 ただ、そのバカバカしさがこの走るクーラーボックスの面白さなのです。ペットボトル数本しか冷やせない、そのアホらしさが生命線なのです。

 こんなオモチャのような走るクーラーボックスが楽しいのですから、僕のアタマは夏の暑さでイカれてしまったのかもしれません。