人生の「先延ばし問題」解決するたった1つの盲点 意志の強さや努力量よりも大事な考え方がある

AI要約

人々は未来の自分がより良く生きることを願っているが、行動に移せないことが多い。

心理学者ハル・ハーシュフィールドが未来の自分との関係性について研究し、その成果を『THINK FUTURE 「未来」から逆算する生き方』にまとめた。

本書は未来を想像し、行動を促す力を持つ。日本版が発売されることで、読者は自らの未来に対する意識を高めることが期待される。

人生の「先延ばし問題」解決するたった1つの盲点 意志の強さや努力量よりも大事な考え方がある

1年後か10年後か……「少なくとも未来の自分はよりよく生きていたい」と願うのは人の自然な願望だろう。

しかし、お金を貯めなければとわかっているのに浪費したり、健康的でいたいと思いながら暴飲暴食をしたり、夢のためにやらなければいけないことを先延ばしにしたり、頭ではわかっていても体が動かないことも多い。

「自分をよりよく変えるために、どうすればいいか」について研究を重ねている心理学者がいる。カリフォルニア大学ロサンゼルス校アンダーソン・スクール・オブ・マネジメントで教鞭をとるハル・ハーシュフィールドだ。

アメリカでベストセラーになった彼の著作『THINK FUTURE 「未来」から逆算する生き方』の日本版がこのたび発売されることとなった。本書に収録されている「日本版にあたっての解説」を公開する。

■「未来の自分」と仲よくなる

 海外の本を翻訳したものにはときどき、このような「読みどころ」みたいなものが入るときがある。読者としては、「読んでも読まなくてもいいもの」としてとらえる人もいれば、「本は最初から読みたいから、一応読む」という人がいる程度のものだ。

 だから、このあたりで「あ、この文章は必要ないな、さっさと結論に飛んでほしい」と思っているかもしれない。しかし、この文章は今回に限っては価値のあるものになるかもしれないのだ。なので、少しだけおつき合いいただきたい。

 価値があるものになるといっても、これは私の書く文章が優れているからでも、本の解説が上手だからでもない。この本をすでに読み終わっている私にとっては、どんな価値を提供すればいいのかわかっているからというだけだ。まるで、手品ショーの観客の中で、1人だけマジックのタネを知っているようなものである。

 それは何か?  結論から言うと「読み終わった後の姿を想像させてあげるだけで、読者がこの本を読み終えようと思えるようにできる」である。というのも、今あなたは「この本を読み終わった後の自分」を想像できていないはずだ。まるで「他人」のように感じているはずである。

■どんな本なのか

 あなたは今から、この本を全部読んで理解する、というそれなりに労力がかかる行動をとることになる。中には、ビジネス書の大量の文章を読むのがまったく苦ではない読者もいらっしゃるだろうが、多くの人にとっては、これは知的なトレーニングのようなもので、簡単なことではない。