女性管理職がいる企業の割合は順調に増えているのか。部長・課長・係長の平均賃金も男女で比較
日本社会において、女性の職場進出や管理職登用に関する最新データを紹介。
女性管理職割合や企業規模別の比較を通じ、現状や課題を明らかに。
大企業ほど女性管理職を有する企業割合が高い傾向にあり、昇進機会が豊富でキャリア支援も充実している可能性。
日本社会において、女性の職場進出が長年の課題として取り上げられていますが、管理職に占める女性の割合は依然として低水準にとどまっています。
本記事では、2024年7月31日に公表された最新データから、「管理職に占める女性の割合」や「女性管理職を有する企業の割合」を見ていきます。
さらに、部長、課長、係長といった役職ごとに男女の平均賃金を比較し、男女間の格差も見ていきましょう。
政府によって「ダイバーシティ経営」が推進されていますが、その効果はどのくらい表れているのでしょうか。
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厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査の結果概要」から、まずは管理職に占める女性の割合を見てみましょう。
●管理職に占める女性の割合(2023年度)
・課長相当職以上(役員を含む):12.7%
・係長相当職以上(役員を含む):15.1%
・役員:20.9%
・部長相当職:7.9%
・課長相当職:12.0%
・係長相当職:19.5%
課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は、前回調査と同様の12.7%となっています。
2009年からの推移を見ると、役職によっては女性の割合が増加傾向にあるものの、全体的に大きな変化は見られません。
続いて、女性管理職を有する企業割合の推移を見ていきます。
課長相当職以上の女性管理職を有する企業は54.2%となっており、前回調査から2.1ポイント上昇しています。
●女性管理職を有する企業割合(2023年度)
・課長相当職以上(役員を含む)を有する企業:54.2%
・係長相当職以上(役員を含む)を有する企業:62.7%
・役員を有する企業:33.6%
・部長相当職を有する企業:12.1%
・課長相当職を有する企業:21.5%
・係長相当職を有する企業:23.9%
しかし、2009年からの推移を見ると、ほぼ横ばいの状況が続いていることがわかります。
次に、企業規模別の割合を見てみましょう。
●【企業規模別】女性管理職を有する企業割合
課長相当職以上(役員含む)の女性管理職あり
・5000人以上:98.7%
・1000~4999人:87.5%
・300~999人:73.7%
・100~299人:62.6%
・30~99人:55.4%
・10~29人:51.6%
係長相当職以上(役員含む)の女性管理職あり
・5000人以上:98.7%
・1000~4999人:96.5%
・300~999人:86.9%
・100~299人:80.3%
・30~99人:67.4%
・10~29人:57.4%
企業規模が大きいほど、女性管理職を有する企業割合が高い傾向にあることがわかります。
一般的に、組織が大きい大企業のほうが昇進の機会も多いことに加え、積極的に女性のキャリアを支援していることなどが背景にあると考えられます。
また、性別や人種、年齢に関係なく、能力や実績に応じて昇進の機会が与えられることが多く、制度やサポートが整っていることなども要因と考えられるでしょう。
では、女性管理職と男性管理職の平均賃金にはどのくらいの差があるのでしょうか。