世界的”SUSHIブーム”で日本人が魚を買えなくなっている…!「サーモン価格は10年で2.5倍」庶民の味方「回転寿司」に迫る危機

AI要約

牛丼の価格高騰に続き、回転寿司で人気のサーモンも価格高騰の波に見舞われている。

ノルウェー産サーモンの価格上昇は、世界的な需要増加やアジアの経済成長によるものである。

サーモンの輸入価格が過去10年で2.5倍に上昇し、回転寿司におけるサーモン人気にも影響が出ている。

世界的”SUSHIブーム”で日本人が魚を買えなくなっている…!「サーモン価格は10年で2.5倍」庶民の味方「回転寿司」に迫る危機

筆者は、先日の『悲報「牛丼《うまい、安い、早い》はもうすぐ終わります」空前の牛肉高騰、10年で5割も値上げ…日本人を襲う「牛丼ショック」』の記事の中で、「庶民の食」の代表格である牛丼の価格高騰の背景を考えた。

われわれ消費者にとってはまたしても耳の痛い話題で恐縮だが、今回も引き続き、我が国を代表する「庶民の食」に迫る問題について考えていきたい。

今回取り上げるのは、回転寿司だ。コロナウイルスの影響もあり、最近は店舗に行っても寿司がレールを回っている光景を目にすることが減ってきたが、高価な寿司をリーズナブルに楽しめる業態の象徴として、不動の地位を確立している。

なかでも圧倒的な人気を誇っているネタがサーモンだ。大手水産卸・マルハニチロの調査による「回転寿司でよく食べるネタ」ランキングでは、現在まで13年連続でサーモンが首位を独占。「回転寿司でサーモンをよく食べる」と回答した消費者の割合は50.6%にも上り、2位のマグロ(36.3%)を突き放す人気を誇っている。

だが、このサーモンにも価格高騰の波が襲いかかっていることをご存知だろうか。

日本は生食用サーモンのほとんどを輸入でまかなっている。なかでも、生鮮冷蔵サーモンの主な輸入先となっているのが、北欧・ノルウェーだ。ノルウェーでは90年代に、サーモンの増産にともない価格が暴落したことがあった。この時、ノルウェー側は新たな市場として日本の寿司に目をつけ、同国産のサーモンを売り込むことに成功。かくして日本は貴重な巨大マーケットとなった。

ところが、そんな状況もいまは昔。世界的な魚食ブームの到来や、中国をはじめとするアジア各国の経済成長にともない、サーモンへの需要はこれまでになく高まっている。その結果、ノルウェー産サーモンの価格も高騰の一途をたどっており、同国産養殖サーモン(冷蔵)の輸出価格(1kgあたり)は過去10年で約2.5倍になった。