「呪術廻戦」でも「コナン」でも「ハイキュー」でもない…くら寿司の「ビッくらポン!」で最も反響のあったコラボ

AI要約

くら寿司は海外事業を積極的に展開し、特にアメリカ市場で成功を収めている。2023年の売り上げが大幅に増加し、黒字化を果たすなど成長基調が続いている。

くら寿司USAの売り上げは2019年から着実に増加し、2023年には259億7500万円に達している。同時に中国や台湾の市場でも堅調な成績を収めており、海外市場への期待が高まっている。

くら寿司は先行者利益を生かし、世界中で回転寿司の代名詞として認知されることを目指している。都心部や海外における出店戦略を展開し、今後の成長に期待が集まっている。

くら寿司が好調だ。その要因の一つに海外事業が挙げられる。現在、アメリカに64店舗、台湾57店舗、中国3店舗の計124店舗(2024年7月末時点)を運営しており、とくにアメリカでの売り上げが良いという。どんな海外戦略をとっているのか。ライターの鬼頭勇大さんが取材した――。(第2回)

■くら寿司USAが成功したワケ

 日本食の代名詞といえる寿司に、エンタメ性を掛け合わせた回転寿司。コロナ禍明けの外食回帰も相まって、富士経済によると、2023年の市場規模は前年比で108.8%の7829億円、2024年見込みも同105.5%の8261億円と、成長基調が続く。

 市場が成長し続ける背景には、出店エリアの拡大もあるだろう。これまでの回転寿司といえば、ロードサイドへの出店が多かったが、昨今は都心部の出店も目立つ。中でも、くら寿司は勢いが戻りつつあるインバウンドへの認知拡大を期待する「グローバル旗艦店」を拡大し、海外事業も好調だ。

 コロナ禍明けとなった2023年10月期は、売り上げが前期比115.5%となる約2114億円、営業利益も約24億円と、3期ぶりの黒字化を果たした。特に大きく成長したのが国外で、2019年に米ナスダック市場に上場した米国法人は売り上げが前期比151.3%を記録し、通期として上場以来初の経常黒字となった。

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くら寿司USAの売り上げ

2019年 70億9600万円

2020年 48億7900万円

2021年 69億5200万円

2022年 171億7300万円

2023年 259億7500万円 (2024年8月末決算より)

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 米国市場を巡っては、今年4月にスシローを運営するFOOD& LIFE COMPANIESがボストンに店舗をオープンした(居酒屋業態)。一方、くら寿司は2009年に米国第1号店を開店。2024年7月末時点で64店を展開している(すべて回転寿司業態)。店舗によっては食事をするのに時に8時間待ちとなることもあるそう。

 くら寿司の広報宣伝・IR本部 広報部 マネジャーを務める辻明宏氏は、「先行者利益を生かし『回転寿司といえばくら寿司』となるようにしていきたい」と意気込む。

 また、アジア市場でも2023年10月期の売り上げは大きく伸びた。前期比35.3%増の約215億円で、新たに中国本土1号店の「くら寿司 上海龍之夢中山公園店」もオープンし、台湾では6つの新規出店を果たすなど、今後の成長に向けて海外市場への期待度は高い。