概算要求総額は117兆円規模、過去最大 国債費や防衛費膨らむ

AI要約

政府は令和7年度の予算編成に向けて各省庁が提出した要望を受け付け、一般会計の要求総額は過去最大の117兆円余りとなった。

財務省が国債費の見積もりを28兆9116億円とし、防衛省も過去最大の8兆5389億円を要求した。

厚生労働省が最も大きい要求額を出し、少子化対策を担うこども家庭庁も増額を要求した。政府は重要政策推進枠を設定し、歳出圧力がさらに強まる見通し。

概算要求総額は117兆円規模、過去最大 国債費や防衛費膨らむ

政府は30日、令和7年度予算編成に向け各省庁の要望を受け付ける概算要求を事実上締め切り、一般会計の要求総額は117兆円余りと過去最大となった。110兆円を上回るのは4年連続。日銀の利上げで長期金利が上昇傾向にあることを反映し国債の利払い費が膨らんだほか、防衛費や社会保障費も増加した。今後財務省が査定し、年末までに予算案を固める。

財務省は、国債の償還や利払いに充てる国債費を28兆9116億円と見積もった。当初予算ベースで過去最大だった6年度から2兆円近く膨らむ。長期金利の上昇に備え、利払い費の算出に使う想定金利を年2・1%に引き上げたためだ。

防衛省は過去最大の8兆5389億円を要求。米中関係の悪化などによる地政学リスクの高まりを受け、装備品の調達費などが膨らんだ。

省庁別で要求額が最も大きいのは厚生労働省の34兆2763億円で、年金や医療費などの社会保障費の増加を見込む。少子化対策を担うこども家庭庁は6年度当初比2394億円増の6兆4600億円を要求した。

政府は予算要求を巡り、賃上げの実現や防衛力の強化といった重要政策に必要な経費を要求できる「重要政策推進枠」を設定。事業内容だけで金額を示さない「事項要求」も認めており、実際の歳出圧力はさらに強まる見通しだ。