スズキ・ホンダ「2つのインド車」は国内に旋風を起こすのか…価格・乗り心地・評価の理由は?

AI要約

スズキが世界戦略車と位置付ける重要商品「フロンクス」を日本市場に投入へ。国内自動車市場のSUVセグメント攻略を狙う。

フロンクスはインド製で、日本仕様として2モデルが用意される。外観や走行性能に高い期待が寄せられている。

ホンダがインド生産車「WR-V」を日本市場で発売し好評を博した前例もあり、インド製車に注目が集まっている。

スズキ・ホンダ「2つのインド車」は国内に旋風を起こすのか…価格・乗り心地・評価の理由は?

● スズキがインド製戦略小型SUV 「フロンクス」を日本発売へ

 この2024年秋に最も注目される新車が、スズキの「フロンクス」だ。フロンクスは、スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディアのインド・グジャラート工場で生産されるコンパクトSUV(スポーツタイプ多目的車)で、スズキが世界戦略車と位置付ける重要商品だ。

 昨年4月にスズキが圧倒的な生産・販売力を誇るインドを皮切りに販売が開始され、続いて中南米・中近東・アフリカでも展開。9月中旬に、満を持して日本でも市場投入される予定となっている。

 スズキは、フロンクスの日本市場投入に当たり、「新型フロンクス、いよいよ日本へ! 今秋、発売」と銘打って専用サイトを新設。8月からティザーキャンペーンを積極的に進め、1日からは実際に車両を見ることができる先行展示会を全国各地で開始しているなど、国内発売に向けたカウントダウンが始まり、大きな盛り上がりを見せている。

 なぜ、スズキがこのインド製新型SUVの日本市場投入に力を入れているのか。

 それは、停滞気味の国内自動車市場の中にあってもシェアが高まっているSUVセグメントを攻略するためだ。セグメント別で見ると、23年のSUVの乗用車構成比は24%で、10年前の6%から大きく上昇している。そのうち、コンパクトSUVが42%も占めており、このジャンルが最大の売れ筋となっているのだ。

 スズキは、軽自動車だけでなくコンパクト乗用車の強化・国内シェア拡大を図る狙いがあることから、新型フロンクスへの期待が大きいというわけだ。

 筆者は、7月に静岡・伊豆山中で行われたフロンクスのプロトタイプ先行試乗会に参加し、試乗してきた。外観は「流麗なクーペスタイルに、迫力あるフロントマスクや先進的な灯火類が採用され、個性的で存在感のあるスタイリング」(スズキのHPでの表現)。1.5Lガソリンエンジンにマイルドハイブリッドを搭載した、2WD、4WDの2モデルが日本仕様として用意されている。コンパクトなBセグメントSUVとしてハンドリング、静粛性、乗り心地は十分な満足感を得た。

 インド製ということで注目されているのが、フロンクスの日本投入に先立ち、ホンダが3月にインド生産車の「WR-V」を日本で発売し、好評を博したことだ。