退陣間近の首相、柏崎刈羽原発の再稼働に「尽力」 来週の会議で協議

AI要約

岸田文雄首相は東京電力柏崎刈羽原発の再稼働に向けた対策を協議するため、原子力関係閣僚会議を来週開くことを決定した。

地元が求める避難路の整備や地域振興策の具体化を図り、再稼働に向けた道筋をつけるために尽力する考え。

政府は国家戦略「GX2040ビジョン」のたたき台を示し、原発や再生可能エネルギーへの投資環境改善などを検討している。

退陣間近の首相、柏崎刈羽原発の再稼働に「尽力」 来週の会議で協議

 岸田文雄首相は27日、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働に向けた対策を協議するため、原子力関係閣僚会議を来週開くと決めた。地元が求める避難路の整備や地域振興策の中身を詰め、退陣前に再稼働への道筋をつけたい考えだ。

 この日開いたGX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議で明らかにした。岸田首相は「残された任期の間に、GXを一歩でも前進するために尽力する。その一つが原発の再稼働の準備だ」と言及。同原発について「東電への不安の声があることは正面から受け止める。再稼働を果たすには地元からの要望を事業者と政府が一体となり対応しなければならない」とし、具体策を指示すると語った。

 同原発の再稼働には地元の同意が欠かせないが、花角英世知事は慎重な姿勢を崩していない。また県は国に対し、事故が起きた際の避難道路や屋内退避施設の整備、除雪態勢の強化などを求めており、それらの詳細を協議するとみられる。

 会議では、年末に取りまとめる国家戦略「GX2040ビジョン」のたたき台も示した。原発や再生可能エネルギーへの投資環境を整える制度など10項目の論点を挙げた。経済産業省は原発の新増設を進めるため、建設費を電気料金に上乗せできるようにする制度の導入を検討しており、戦略にも反映する意向だ。