三菱ふそうの大型トラック『スーパーグレート』を新旧比較試乗、「なぜ、ここまで違う?」新型最大の魅力とは

AI要約

2023年10月、三菱ふそうの大型トラック『スーパーグレート』がフルモデルチェンジを行った。新型の外観や内装の変化、開発コンセプトについて詳しく紹介。

新型スーパーグレートは経済性能、安全性能、快適性と操作性能の向上を目指して開発されており、特に燃費数値の大幅な改善が注目されている。

新型エンジンの搭載や内装の改良など、スーパーグレートの進化と将来の期待について探る。

三菱ふそうの大型トラック『スーパーグレート』を新旧比較試乗、「なぜ、ここまで違う?」新型最大の魅力とは

2023年10月、三菱ふそうの大型トラック『スーパーグレート』がフルモデルチェンジを行った。2017年以来、6年ぶりだ。「ジャパンモビリティショー2023」の三菱ふそうブースに出展されていたのでご覧になった読者も多いと思う。その新型に三菱ふそうの「喜連川研究所」(栃木県さくら市)のテストコースと、周辺の一般道路、さらには東北自動車道で試乗し、実際にハンドルを握ることができた。

今回の新型スーパーグレートは初代スーパーグレート(1996年)と基本設計を同じくするキャブとは思えないほど外観を大きく変えてきた。目を惹くのが大きなグリルとその中央に位置するFUSOのロゴだ。これは三菱ふそうの小型トラックから大型バスに至るまで貫くデザイン上のアイデンティティであり、「ふそうブラックベルトデザイン」と呼ばれる。

内装では、新開発の「スーパーハイルーフキャブ」により室内空間に余裕が生まれた。前席後ろの休憩スペースでは身長170cmの筆者が少し頭を傾ければ立って着替えすることもできる。また、これまでのブラック内装色に加えて、ダークレッド内装色を追加して空間演出力もぐんと高めた。

さて改めて、新型スーパーグレートの開発コンセプトを深掘りすると次の3点に分類できる。(1)経済性能、(2)安全性能、(3)快適かつ優れた操作性能だ。以下、詳細にみていきたい。

まずは(1)経済性能。わかりやすく燃費数値の向上が狙いだ。2025年度に導入予定の重量車燃費基準であるJH25モード(2025年度燃費基準)への対応が行われた。従来のJH15モード(2015年度燃費基準)と比較してスーパーグレートの属する大型トラックのJH25モードでは約13.4%(バス等では14.3%)の大幅な燃費数値向上の強化が求められる。

その対応策のひとつとして新型スーパーグレートでは新型エンジン「6R30」型を搭載した。従来モデルでは「6S10」型(7.7リットル)と「6R20」型(10.7リットル)の2本立てだったが、新型では排気量を大きくした12.8リットルエンジンを加えた。いずれも直列6気筒エンジンだ。