政府が「婚活支援」を検討中…給付金だけでは解決しがたい若者の結婚離れと少子化の現状

AI要約

若者のライフデザインや出会いを支援する取り組みが進行中で、婚活支援検討会が立ち上げられた。

現代社会において結婚を選択しない人が増えており、その理由や背景が注目されている。

厚生労働省のデータから、各年代の未婚率の推移が明らかになり、特に若者から中高年にかけて未婚率の上昇が著しいことが示されている。

政府が「婚活支援」を検討中…給付金だけでは解決しがたい若者の結婚離れと少子化の現状

2024年7月19日、『「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ」第1回会議』において、こども家庭庁が婚活支援検討会の立ち上げを発表しました。

同検討会では若者に意見を聞いた上で、若者のライフデザインや出会いの支援を実施する方針です。

また先日は、東京都が独自のマッチングアプリを開発していることが発表されました。このアプリはAIが価値観診断テストをもとに相性のいい相手を紹介するシステムです。

利用には独身証明書が必須化される予定のため、利用者の安全性も保障される見込みです。

一方、現代社会において結婚をあえて選択しない人も少なくありません。

こうした人たちの中には出会いや経済事情に関係なく、ライフプランの中にパートナーとの暮らしが組み込まれていない人も多いようです。

ひとりが好き、仕事をがんばりたい、趣味で忙しいなど理由はさまざまですが、結婚に関心がない人が結婚したいと思うようになるのは、大きなきっかけがない限り難しいでしょう。

本記事では、未婚者の推移や結婚しない理由を見ていきましょう。

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厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書 (令和4年度厚生労働行政年次報告)―つながり・支え合いのある地域共生社会―」から「年齢階級別未婚割合の推移」を見ていきましょう。

上記の表を参照すると、男女ともにいずれの年代も未婚率は増えています。

1960年の時点では、男女ともに35歳以上の未婚率は一桁台であったものの、2020年には、いずれの年代においても未婚率が上がっています。

35~39歳男性の未婚率については1960年は8.5%でしたが、2020年は38.5%となっています。

また、同年代における女性は1960年は5.5%だったものの、2020年は26.2%です。

一方、2020年において50~54歳については男性は26.6%、女性は16.5%が未婚です。この年代の男性の未婚率は多いものの、女性の未婚率は1割台となっています。

アラフィフ世代がアラサー世代だった頃、30歳代前後の未婚女性から多くの共感を集めた『負け犬の遠吠え』(講談社、2006年)が話題になったほか、未婚のキャリアウーマンがドラマで大きな存在感を放っていました。

しかし、未婚という選択をつらぬいている女性は全体で見ると意外にも少ないように思います。

未婚女性にエールを送る作品や、未婚女性が共感できる作品はいくつも生み出されていたものの、それでも社会においては肩身の狭い思いをしていた姿がうかがえます。

次の章では、若者が独身でいる理由について深堀りしていきましょう。