半導体メモリーのキオクシア、東証に上場申請 10月にも株式公開へ

AI要約

半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(HD)が東京証券取引所に株式上場の申請をし、10月ごろの上場を想定している。上場によって集めた資金は技術開発や生産体制の強化に充てられる。

キオクシアHDは適切な時期の上場を目指して準備を進めており、半導体メモリーの需要の増加やAIの普及などで上場の好機と判断された。経営難に陥った東芝から独立したキオクシアHDは、20年にも上場を申請したが延期され、最近は業績の低迷や事業環境の悪化などに直面していた。

現在はデータセンター向けの需要が高まり、市況も回復している。キオクシアHDは新たなメモリーの開発や生産増強などを通じて競争力を高める考えとみられる。

半導体メモリーのキオクシア、東証に上場申請 10月にも株式公開へ

 半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(HD)が23日、東京証券取引所に株式上場の申請をしたことがわかった。10月ごろの上場を想定している模様だ。上場によって集めた資金を技術開発や生産体制の強化に充てる。

 キオクシアHDは23日、上場申請については明らかにせず、「適切な時期の上場を目指して準備を続けている」(広報)とした。関係者によると、23日に申請し、東証の承認が得られれば10月の株式公開を想定しているという。生成AI(人工知能)の広がりなどで半導体メモリーの需要は増しており、上場の好機と判断したとみられる。

 キオクシアHDは、経営難に陥った東芝から米ファンドなどが半導体事業を買収し、2018年に独立した。20年にも上場を申請したが、米中摩擦の激化によって事業環境が悪化し、延期していた。その後はメモリー不況によって業績が低迷。24年3月期に過去最大となる2437億円の純損失を計上した。

 かねて協業関係にある米半導体大手ウエスタンデジタルとの事業統合も模索したが、同業大手で間接株主である韓国のSKハイニックスの反対などで昨秋に頓挫した。

 現在は生成AIの普及で活況となっているデータセンター向けが好調だ。市況は回復している。新たなメモリーの開発や生産増強などによって競争力を高めたい考えとみられる。(田中奏子)