米エヌビディア、株価最高値が再び視野に-AI投資ブーム続く

AI要約

ウォール街での最優先事項は人工知能への支出であり、企業は数百億ドルを投じている。特にエヌビディアは成長見通しが確実視されており、決算が株価を押し上げる可能性がある。

AIインフラの構築はまだ途中であり、数年間に期待される成長見通しは非常に明るいと見込まれている。短期的な値動きは荒くなるかもしれないが、中長期的にはAIハードウェア銘柄には懸念がない。

AI投資に対する懸念からハイテク株は売られたが、経済成長が堅調でAIへの投資が推移するとの見方が高まり、これらの銘柄には押し目買いが入った。

米エヌビディア、株価最高値が再び視野に-AI投資ブーム続く

(ブルームバーグ): 米金融政策や経済状況、米大統領選に対する疑問が渦巻く中、ウォール街ではっきりしていることが少なくとも1つはある。人工知能(AI)への支出は依然として最優先事項だということだ。

企業はAIインフラとサービスの構築に数百億ドルを投じており、その恩恵を受ける企業、特にエヌビディアは成長見通しが確実視されている。エヌビディアの来週の決算は、AI需要の強さを一段と浮き彫りにし、株価を再び最高値水準に押し上げる可能性がある。

ボヤ・インベストメント・マネジメントのリード・ポートフォリオ・マネジャー、エリック・スウォーズ氏は「AIインフラの構築は完了までにはほど遠く、今後数年間に期待できる成長見通しは非常に明るい」と指摘した。

さらに、このテーマは終盤に差し掛かっているというより、「まだダッグアウトから出たばかりだ」と述べた。「そのため、短期的には値動きが荒くなるだろうが、中長期的にはAIハードウエア銘柄に関して全く懸念していない」と続けた。

この決算シーズンは支出水準に注目がより集まっており、株主還元策よりも設備投資を優先した企業の株が売られるケースもある。AI投資の見返りに対する懸念から、先ごろハイテク株は売られたが、経済成長が底堅く推移し、AIへの投資そのものが堅調に推移するとの見方が高まる中、これらの銘柄には押し目買いが入った。

AIハードウエアおよび半導体銘柄は、ナスダック100指数が8月の安値から反発するのをけん引。最もパフォーマンスが良いエヌビディアは30%近く戻し、最高値まであと6.1%に迫った。同業のマイクロン・テクノロジーやマーベル・テクノロジー、スーパー・マイクロ・コンピューター、ブロードコム、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、ARMホールディングスも反発に寄与した。

マイクロソフトやアマゾン・ドット・コム、アルファベット、メタ・プラットフォームズなど、エヌビディアの売上高の40%余りを占める巨大企業グループは決算でAI投資に対するコミットメントを強調。その数週間後にエヌビディアの決算は発表されることになる。半導体の受託生産最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の月間売上高も力強いAI需要を示している。