みんなと一緒じゃない方のヤツだと!? 日本全国津々浦々の"定型外"なバス停たち

AI要約

バス停標識には定型的なデザインが多い中、変わったスタイルのバス停も存在する。

横浜市の桜木町駅周辺では舵輪をモチーフにしたバス停標識が設置されており、特徴的なデザインが目を引く。

北海道の名寄市ではもち米をモチーフにしたバス停があり、地域の特産品をデザインに取り入れた遊び心溢れるバス停である。

みんなと一緒じゃない方のヤツだと!? 日本全国津々浦々の

 バス停標識といえば、誰が見てもバス乗り場だと分かる"定型"があり、大抵はそのタイプが使われている。とはいえ中には、型にハマらないスタイルを貫く、なんとも自由なバス停だってあるようだ。

文・写真:中山修一

(変型バス停の写真付き記事はバスマガジンWebもしくはベストカーWebをご覧ください)

 台形をしたコンクリの土台に背の高いポールを2本埋め込み、ポールとポールの間に、時刻表などの案内表示版を取り付けてあるところまでは普通のバス停標識と一緒。

 ところが天辺の部分に目をやると、ちょっと他では見ない存在感を放つようになる。これは横浜市の桜木町駅を起点に、赤レンガ倉庫や山下公園などの観光ベイエリアを巡る路線バス「あかいくつ」向けにデザインされたバス停標識だ。

 天辺のバス停名称を記した円盤に、放射状に広がる飾り棒が組み合わせてある。そのデザインが旧来より船舶の出入りが旺盛な港町ヨコハマのイメージとどことなく重なるせいか、やや抽象的ながらも、船の方向を変える舵輪のような形に見えるわけだ。

 そう見えてしまった以上、本当に舵輪がモチーフなのかは深く追求しないことにしておこう……「あかいくつ」のバス停には一般的なタイプの標識も使われており、どこに舵輪風のバス停標識が置かれているか、バスに乗りつつ観察してみるのも一興だ。

 台形のコンクリが土台になっているのは同じであるが、時刻表等の掲示板と、それを保持するフレームに特徴を持つバス停がコチラ。フレーム部分は楕円形で、天辺の片側だけ凹んでいる。

 そういうシルエットから連想できる物といえば「米」だろう。確かに現地で初めて目にした時に「これコメか?」まではすぐ思い浮かんだ。

 細かく言えば、コメはコメでも「もち米」をモチーフにしたものらしい。そんなバス停標識が置かれているのは北海道の名寄市内。市内を回るコミュニティバスのバス停がこの形をしている。

 名寄市は、もち米の生産量のうち全国の1/10を占めると言われ、日本一の規模なのだそう。名寄市には観光マスコット「なよろう」君がいて、お餅が好きすぎて頭はもち米・体が鏡もちという、「もち米」推しのキャラ像になっている。

 バス停標識の天辺にも「なよろう」君の頭が描かれており、フレームの凹んでいる箇所は、ちょうど頭の輪郭に合わせてある。ご当地の特産品をデザインに盛り込んだ、遊び心あふれるバス停だ。