混戦模様の自民総裁選、想定される候補と主要政策-小林氏は立候補へ

AI要約

自民党総裁選は岸田文雄首相の不出馬表明を受け、混戦模様となっている。

小林鷹之前経済安全保障担当相と上川陽子外相が立候補を表明。

石破茂元防衛相も総裁選に挑戦し、世論調査で支持を集めている。

混戦模様の自民総裁選、想定される候補と主要政策-小林氏は立候補へ

(ブルームバーグ): 9月の自民党総裁選は岸田文雄首相の不出馬表明を受け、多数の議員の立候補が取り沙汰される混戦模様となっている。

19日には当選4回の小林鷹之前経済安全保障担当相が出馬表明した。記者会見では「経済は財政に優先する」と述べ、年内に物価高対策を打ち出す考えを明らかにした。上川陽子外相は立候補に向けて準備を進めていると記者団に表明した。朝日新聞など国内主要メディアは両氏を含めて11人の名前を挙げているが、何人が国会議員20人の推薦人を確保できるかで選挙の構図は変わる。

総裁選の具体的な日程は20日に開かれる総裁選挙管理委員会で決定する見通しだ。共同通信は9月12日告示、27日投開票で調整に入ったと報じている。

候補者として浮上している主な議員の横顔と主要政策についてまとめた。

小林鷹之前経済安全保障担当相

49歳の小林氏は、若い世代のリーダーの一人と目されている。中堅・若手議員の支持を得て19日、一番乗りで立候補表明の記者会見を行ったが、知名度不足は否めない。ただ、出馬することで将来の首相候補として自民党員や有権者に名前を知らしめることになる。

サラリーマン家庭に生まれ、財務官僚になったが、2012年の衆院選で野党だった自民党から出馬し、政界入りした。宇宙資源法など議員立法にも熱心に取り組み、岸田内閣で初代の経済安全保障担当相を務めた。

主要政策:

上川陽子外相

71歳の上川氏は政界入りする前、三菱総合研究所研究員や米国留学を経て、政策コンサルティング会社を経営していた。女性活躍に尽力していることで知られる。岸田派に所属していたが、推薦人集めは「派閥という枠組みの中で考えていない」とし、自ら電話で同僚議員に支持を求めている。法相時代にはオウム真理教の元教祖、麻原彰晃(本名・松本智津夫)元死刑囚ら13人の死刑執行命令書に署名した。

主要政策:

石破茂元防衛相

防衛相や農相を務めた石破氏は、これまで4回総裁選に挑戦したが、いずれも敗れた。共同通信が17日から19日にかけて行った最新の世論調査では次の総裁にふさわしい政治家として25.3%の支持を得てトップに立っている。67歳。最近出版した著書「保守政治家 わが政策、わが天命」(講談社)では「異次元の金融緩和」の長期化で国の財政と日銀の財務が悪化したとして、アベノミクスの功罪について「きちんと評価すべき時期が来た」と指摘した。