自民党総裁選「世代交代」求める動き…“2人の40代議員”目指すものは?

AI要約

9月下旬に行われる自民党総裁選。岸田総理は出馬を見送り、若手議員たちが世代交代を求める動きを示す。

若手議員たちが総裁選に対し、世代交代を訴える。安倍派の若手議員らも意見を一致させ、世代交代を重視している。

専門家は、今回の動きが自民党にとって重要な世代交代を進める可能性が高いと指摘。

自民党総裁選「世代交代」求める動き…“2人の40代議員”目指すものは?

9月下旬に行われる自民党総裁選。岸田総理は8月14日、総裁選への出馬を見送ることを表明した。これに先立ち、若手・中堅議員たちが「世代交代」を求める動きを見せていた。総裁選出馬が有力視される“2人40代議員”小泉進次郎氏と小林鷹之氏を軸に、日本のリーダーを決める総裁選の行方を追う。

9月の総裁選を控え、若手議員たちの動きに注目が集まっている。8月8日、福田達夫元総務会長ら安倍派の若手議員、衆院当選4回以下の議員9人が総裁選に向けた対応を協議。世代交代を印象づけるような総裁選にすべきとの考えで一致した。さらに9日発売の月刊誌「文藝春秋」にも、福田達夫元総務会長、小倉将信前こども政策担当大臣、大野敬太郎元内閣府副大臣の連名で寄稿しており、ここでも世代交代の必要性を訴えた。

若手議員たちによる「世代交代」訴えについて、久江雅彦氏(共同通信特別編集委員)は、以下のように分析した。

表面化したのは8月8日の会合だが、6月、7月と水面下では会合が重ねられてきた。自民党の若手・中堅議員、福田達夫氏らは政策について、かなり詳細まで詰めてきている。私たちは本気で変えたいという意識で動いていて、総裁選で念頭に置いているのが小林鷹之氏だ。小林氏は、まだ明言はしていないが、8月20日に自民党総裁選の日程が発表されるので、早ければ、それに先んじて19日にも立候補表明をするとみている。その時にはかなり詳細まで政策内容を詰めていると思う。

中北浩爾氏(中央大学教授/政治学者)は、今回の動きは今後の世代交代をかなり推し進めると指摘し、以下のように語った。

自民党が民主党から政権を奪還した2012年からずっと、基本的に岸田さん、菅さん、安倍さん、麻生さんと、こうしたところで、この12年間、政治が回ってきた。もうそろそろ世代交代だろうという空気が自民党の中にある。今の自民党の衆議院議員の半分以上は4回生以下で、他方で選挙の基盤が弱く、世代交代をして、自分たちの活躍の場が欲しいという思いを持っている。自民党の今の状況は危機的だという思いもあり、様々な動きが出てくる。実はこの動きは、自民党の活力の一つでもある。これまでも、派閥間の抗争、疑似政権交代と、世代交代という2つの軸でリニューアルをし続けて、政権を維持するというメカニズムを持ってきた。その点を考えれば、今回の世代交代を求める動きは、自民党として正常な動きだ。若手が総裁選を勝ち抜くまではいかずとも、若手の起用をある程度検討するという流れになれば、人事を含めてかなりの世代交代が進んでいくとみている。