【最終回】損をしてでも14年落ち中古フェラーリを売却した理由とは? それでもスーパーカーを所有することに意義はある!(連載:33歳、フェラーリを買う)

AI要約

編集部員のイナガキが人生初のフェラーリを購入し、住宅購入のためにフェラーリ・カリフォルニアを売却することになる。

売却が難航する中、知人から購入希望があり商談成立。購入金額と維持費から売却金額を差し引くと、マイナス200万円となる。

フェラーリはロマンがあり、所有することに意義を見出すイナガキ。次なるクルマを探すことになる。

【最終回】損をしてでも14年落ち中古フェラーリを売却した理由とは? それでもスーパーカーを所有することに意義はある!(連載:33歳、フェラーリを買う)

29歳で人生初のフェラーリを購入した『GQ JAPAN』の編集部員のイナガキが、ひょんなことからまたフェラーリを購入した! はたして、2回目の“跳ね馬ライフ”はいかに?

わがフェラーリ・カリフォルニアを売却することとなった。理由は住宅購入のためで、金融機関からの住宅ローン融資条件に「オートローンの完済」が含まれていたからだ。

フェラーリのローン残額を、キャッシュで一括返済すればいいだけのことかもしれないが、あいにくそんな金はない。さらにマンション購入には頭金やら諸費用やらで結構な出費がかさむ。愛車を手放すことの悩んだものの、どう考えても“売却”の一択しかなかった。

当初、市場価格を鑑み1000万円弱で販売をスタートした。今回は委託販売にしたが、実車確認の連絡はなかなかこなかった。前回の360モデナはわずか10日ほどで購入者が見つかったのに、カリフォルニアは値下げしても、問い合わせは少ない。ディーラーの友人に訊くと、フェラーリのような高額なスポーツカーは右から左に売れないケースが多いそうだ。趣味性も高く、当然といえば当然か。

とはいえ、のんびりと待っていられない。住宅ローンの融資実行日が迫ってきた。もしオートローンの完済が間に合わなければ融資は受けられない。さすがに焦ってきた。友人や知人に、捨て身で声をかけた。多少の“赤”も覚悟で、価格を大幅に下げて声をかけまくった。

すると、知人から購入希望の連絡が! なんと、新規事業用にカリフォルニアをちょうど探していたという。しかも、希望条件はわがカリフォルニアに近く、駆け引きなしで商談成立。すぐにでも譲ってほしいということで、翌日に車両をチェックしてもらい、翌週には引き取られた。

今回、購入金額+維持費(車検整備やその他消耗品も含む)から売却金額を差し引くと、マイナス約200万円だった。所有期間は約8カ月だから、1カ月あたりのコストは約25万円。ちなみに保険や税金を含めると、さらにランニングコストはアップする。購入した途端、下取り価格が半額になってしまうクルマもあるなか、マイナス約200万円で済んだのはフェラーリだったからにほかならない。

もっとも、約25万円という具体の数字を算出すると、やや痛い。そういえば、前回の360モデナは購入価格より売却価格はアップしたが、今回はマイナスだ。やはりフロントエンジン+後輪駆動のフェラーリは、ミッドシップモデルに較べると人気は低いのが実情だ。

ただ、360モデナに比べ、圧倒的に安楽なフェラーリライフが送れたのも事実。4人乗りだし、荷物もそこそこ積めるし、屋根も開くし……と、至れり尽くせり。もう少し時間を掛ければ、より高額で売却できたかもしれない。さらに長く乗れば、1カ月あたりのコストも変わってくるだろう。

フェラーリはやっぱり趣味のクルマだ。もしフェラーリの購入を希望するのであれば、経験上、金銭面で“得”をすることは期待しないほうがいい。投機目的でベネフィットがあるのは一部の限られたモデルで、そしてぼくは金儲けのために所有しているわけではない。

フェラーリライフは他に得難いものがある。実際に2台所有することで、フェラーリの魅力により深く入っていけた気がする。出費はそれなりにあるけれど、フェラーリを所有することはロマンといっていい。そのロマンを実体験出来たことに大きな意義がある、というところで筆を置きたい。

跳ね馬よ、ありがと!

さて、フェラーリ売却後は引っ越しもあり、しばらくはマイカーのない生活だった。それもそれで、いいかなぁ……と、思ったものの、やっぱりマイカーのない生活はつまらない。

というわけで、次なるクルマを購入した。はたして、次は──。