JR東・東海・西「新幹線アイス」でコラボ商品の狙い、開発現場に潜入、会社の垣根越え2025年販売目標

AI要約

新幹線車内販売のアイスクリーム「シンカンセンスゴイカタイアイス」とは、硬さで親しまれている。

最近、東海道新幹線では車内販売形態が変化し、自販機も設置されたが、一部のファンからの意見も出ている。

3社のパーサー・アテンダントがアイスクリームに関するプレゼンを行い、連携が進むとともにコラボ商品も発売され好評を博している。

JR東・東海・西「新幹線アイス」でコラボ商品の狙い、開発現場に潜入、会社の垣根越え2025年販売目標

 購入時のあまりの硬さから、「シンカンセンスゴイカタイアイス」という愛称で親しまれている新幹線車内販売のアイスクリーム。最近では、駅ナカ店舗やホーム上売店の拡充により、車内販売の形態も変化し、東海道新幹線では「のぞみ」「ひかり」で行われていたワゴンによる車内販売が、2023年11月よりグリーン車のみの「東海道新幹線モバイルオーダーサービス」に変更された。

■東海道新幹線では駅に自販機を設置

 しかし圧倒的に多い普通車利用者へのアイスクリーム提供をやめるわけにはいかず、JR東海グループのJR東海リテイリング・プラス(以下JR-PLUS)では、東海道新幹線の一部ホーム上にアイスの自動販売機を新設した。

 新幹線車内には冷凍庫がなくドライアイスを用いて保冷することからあの独特の硬さが生まれていた。しかし冷凍自販機ではそこまで冷凍する必要はない。一部の情熱的なファンが「(自販機では)スゴイカタイアイスではなくなってしまった」とSNS上で言及し話題になった。

 一方、東海道新幹線に直通する山陽新幹線でも現在、16両編成で運行する一部の「のぞみ」「ひかり」の8~10号車グリーン車の利用者向けにワゴン販売を継続中。その中には当然、アイスクリームもラインナップされている。

 そして、JR東日本管内の新幹線では一部列車・区間を除く、各新幹線で普通車を含めワゴンによる車内販売を継続している。2019年にはアイスクリームと並んで人気商品の代表格であるホットコーヒーとともに販売をいったん休止したものの、やはり利用者からのリクエストは多く、2022年8月には両商品とも販売を再開した。各社業態は異なるが、アイスクリームは車内販売の最重要商品には変わりない。

 もはや文化ともいえる「新幹線とアイスクリーム」の関係だが、この関係が今、各運営会社の壁すら超えている。

 2024年6月某日。東京駅からほど近い、JR-PLUS東京本社の会議室には、3社3様の制服姿で車内販売に従事する7人が集結した。東海道新幹線と山陽新幹線のパーサーは新大阪駅で互いの姿を見ることはあるが、JR東日本系列のアテンダントと東海道・山陽新幹線のパーサーが同じ場所に会するのはまれな光景である。そして、この日の議題こそ、アイスクリームなのである。

■3社のパーサー・アテンダントがプレゼン

 2022年、JR-PLUSとJR東日本グループで車内販売事業を行うJR東日本サービスクリエーション(以下、J-Creation)の両社は、車販における交流会を実施。それをきっかけに2023年7月には東日本エリアをモチーフにしたコラボフレーバー「ずんだ」、2024年3月には東海エリアをモチーフにした「京都宇治抹茶」を発売した。いずれも好評を博し、第3弾としては西日本エリアをモチーフとしたアイスクリームを企画したいと、新たにJR西日本のジェイアール西日本フードサービスネット(以下、FSN)へアプローチ。参画が決定し本開催となった。