【生活保護の開始世帯数は前年同月比5.5%増】高齢者世帯が約半数を占める「老齢年金」の支給額は月額どれくらいなのか
2024年4月分の生活保護の被保護者調査によると、新たに生活保護を受け始めた世帯数が前年同月比で5.5%増加しています。
現在の生活保護受給世帯の約半数を高齢者世帯が占めるものの、高齢者でも年金だけでは生活が難しい場合があります。
厚生労働省によると、国民年金の平均受給額は月額5万6316円であり、受給額が4万円未満の人も10%以上存在しています。
2024年4月分の生活保護の被保護者調査によると、生活保護を新たに受け始めた世帯数は前年同月比で5.5%増加しています。
また、現在の生活保護受給世帯のうち約半数を高齢者世帯が占めているのが実態です。
ただし、高齢者世帯は年金がもらえます。そのため、年金がもらえるのに、なぜ生活保護が必要となるのか不思議に思う人もいるかもしれません。そんなに年金支給額が少ないのでしょうか。
本記事では、「老齢年金」の支給額が月額どれくらいなのかを紹介します。国民年金と厚生年金にわけて説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
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まずは、そもそも生活保護を受けるためにはどのような要件を満たすことが必要なのか確認しましょう。
厚生労働省によると、以下の要件のすべてを満たした「健康で文化的な最低限度の生活を送ることが出来ない人」が生活保護の支給対象者となります。
●生活保護を受けるための要件
・資産の活用:預貯金、生活に利用されていない土地・家屋等があれば売却等し生活費に充てること
・能力の活用:働くことが可能な人は、その能力に応じて働くこと
・あらゆるものの活用:年金や手当など他の制度で給付を受けることができる場合、まずそれらを活用すること
・扶養義務者の扶養:親族等から援助を受けられる場合、援助を受けること
資産や労働能力、年金や手当など、あらゆる手段を利用しても生活ができない人のみが生活保護の対象となります。
生活保護は誰でも受けられるわけではなく、あらゆる手段を使っても生活できない人のみが受給できることを確認しました。
ただし、老後は年金をもらえるはずです。年金だけでは生活できないほど、年金支給額は少ないのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の受給額の分布は以下のとおりとなります。
●国民年金の受給額分布
年金受給額 割合
・月額1万円未満 0.2%
・月額1万円以上2万円未満 0.8%
・月額2万円以上3万円未満 2.6%
・月額3万円以上4万円未満 8.0%
・月額4万円以上5万円未満 13.9%
・月額5万円以上6万円未満 24.7%
・月額6万円以上7万円未満 44.4%
・月額7万円以上 5.3%
平均年金月額 5万6316円
平均額は月5万6316円です。さらに、受給額が月4万円未満の人も10%以上います。
たしかに、月4万円の年金だけで生活するのは難しい人もいるでしょう。