2代目「930ターボ3.3」はレース技術でさらに進化【ポルシェ 911ターボ 50周年の道程②】

AI要約

ポルシェ911ターボの第2世代は排気量が拡大され、チャージエアクーラーやブレーキシステムの改良が施された。

改良を重ねる中でカスタマイズオプションも豊富になり、性能とラグジュアリーを両立したモデルとして高い評価を受けた。

1987年には911ターボカブリオレや911ターボタルガも登場し、選択肢がさらに増えた。

2代目「930ターボ3.3」はレース技術でさらに進化【ポルシェ 911ターボ 50周年の道程②】

ポルシェ 911ターボが登場してから今年で50年。ポルシェ911のハイパフォーマンスの象徴ともなってきた「911ターボ」の軌跡をたどる短期連載企画、今回は第二世代の排気量拡大版をフィーチャーしよう。

1977年に登場した第2世代の911ターボ「930ターボ3.3」は排気量が 3.3Lに増加され、リアスポイラーの下に大きなチャージエアクーラーが配置された。これもまた、モータースポーツに由来する量産車では世界初の試みで、5500 rpm で 221kW (300ps) の最高出力と 412 Nmの最大トルクを達成するには、チャージエアの吸気温度を下げることが不可欠だった。

またレーシングカー「 917」 から派生したインナーベンチレーテッドブレーキ ディスクを備えた軽量合金ブレーキ システムを採用。モータースポーツの第一線で使われたこのシステムは、最高速度260km/h の「930ターボ3.3」に必要不可欠なアイテムでもあった。

この第2世代911ターボ(社内では依然として「930」と呼ばれていた)は毎年のように細部を改良。1970年代の終わりにはポルシェは包括的なゾンダーヴンシュプログラムでカスタマイズオプションを導入、ポルシェ935レーシングカーを彷彿とさせるスラントノーズやパワーアップパッケージなども用意され、そのパフォーマンスとラグジュアリーの組み合わせは世界から高い評価を受けた。

また、1987年には 911ターボカブリオレ、 911ターボタルガが登場、電動コンバーチブルルーフは無償オプションとして選択可能だった。

●全長×全幅×全高:4291×1775×1310mm

●ホイールベース:2272mm

●重量:1300kg

●エンジン:空冷・水平対向6 SOHCターボ

●排気量:3299cc

●最高出力:300ps/5550rpm

●最大トルク:420Nm/4000rpm

●トランスミッション:4速MT

●駆動方式:RR

●最高速:260km/h

●0→100km/h加速:5.4秒