在宅勤務減少で夏休み中の「企業内学童保育」需要が急増 子供と通退勤で意外なメリットも

AI要約

新型コロナウイルス収束後、共働き世帯向けの学童保育サービスが企業内で需要急増。

親子通勤で安心感共有や新たなコミュニケーションツールに。

パソナグループの学童保育サービス「ミラクルホリデー」は豊富なプログラムを提供。問い合わせは前年の2倍に。

在宅勤務減少で夏休み中の「企業内学童保育」需要が急増 子供と通退勤で意外なメリットも

共働き世帯などの小学生を預かる放課後児童クラブ(学童保育)を、子供の夏休み期間に企業内で導入するサービスへの需要が急増している。背景には新型コロナウイルス禍の収束で子供の世話と仕事を両立できる在宅勤務の減少があるようだ。親の仕事場に直接触れられるという公設の学童保育にはない貴重な体験を子供が得られる、と利用者からは好評で、親子の新たなコミュニケーションツールとしても注目されている。

■親子で通退勤の安心感

8月9日正午。東京・港区にある総合人材サービス大手パソナグループ本社の社員食堂には、昼食をとる親子の姿が目立ち始めた。

「料理が苦手で、給食のない夏休み中の子供の弁当作りがプレッシャーでした。パソナの学童保育は昼食も準備してくれるので本当に助かっています」

そう話すのは小学3年生の息子を持つ母親で、同グループのパソナHSで執行役員を務める大谷悠さん。同社の学童サービスを利用するのは今年で3年目。夏休み中の約1週間は親子で通退勤する。「親の通勤ルートや仕事内容を子供に知ってもらうことで、親子お互いの安心感の共有にもつながる」と大谷さん。「満員の電車に子供と一緒に乗って通勤したりすることで親への仕事の理解も深まり、子供の応援も感じられる」とそのメリットの大きさを強調する。

同社の期間限定の学童保育サービス「ミラクルホリデー」は、子供たちに英会話や工作、体を動かすヨガなど豊富なメニューを取りそろえているのも特徴だ。利用料は1日当たり(午前9時~午後6時)昼食付きで1000円。7月22日から8月23日(土日祝日を除く)の期間に、1日15人程度(定員20人)の利用を見込んでいる。

■問い合わせは前年の2倍に

パソナグループでは、平成30年から夏休みなど長期休み期間限定で社員向けに学童保育サービスの提供を開始。多くの利用者から好評だったことから、同グループで子育て支援事業を担うパソナフォスターが社外向けにも同様のサービスの展開を始めた。

「親や子供が学童保育に求めることが多様化する中、公設の学童保育にはないワクワク感を感じてもらえる学童保育サービスを提供することで親子の喜びを見える化したいと思った」。同社の長畑久美子社長はサービスを始めた理由をこう説明する。