ヘッジファンド、リスクポジション縮小 市場大幅変動で

AI要約

ヘッジファンドが市場の変動によりリスクを縮小する動きを見せている。

投資家の不安や市場急落により、ポートフォリオマネジャーがポジションを減らしている。

ヘッジファンドのレバレッジが過去最高に達しており、投資家のリスク志向が抑制される可能性が高い。

ヘッジファンド、リスクポジション縮小 市場大幅変動で

Carolina Mandl

[ニューヨーク 12日 ロイター] - ヘッジファンドのポートフォリオマネジャーらは、最近の市場の大幅変動を受けてリスクの高いポジションの一部を縮小した。

投資家の不安心理を示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(恐怖指数、VIX)は8月5日に約4年ぶり高水準で引けた。

市場急落は多くのヘッジファンドにとって痛手となっている。ヘッジファンド調査会社ピボタルパスのエクスポージャーモデルによると、グローバルマクロ・クオンツファンドは8月1日から5日の間に1.5─2.5%の損失を出し、テクノロジーセクターに重点を置くヘッジファンドは2.5─3.5%の損失を出した。

UBSヘッジファンド・ソリューションズの最高投資責任者(CIO)エドアルド・ルリ氏は「ある程度のデレバレッジは確かに見られた」と述べ、パニックに陥ったわけではないが、ポートフォリオマネジャーはポジションを減らしていると説明した。

ポイント72アセット・マネジメントのエコノミスト兼ストラテジストのソフィア・ドロッソス氏は、投資家が世界経済の成長見通しに安心するまで、リスク志向を抑制する可能性が高いと指摘する。「非常に長期にわたる取引が突然解消し始めると、リスク選好度は低下する。投資家が過度のリスクを取ることに消極的、あるいは警戒的になる可能性が高い」とし、「夏の残り期間、逆風になる可能性がある」とした。

金融調査局のヘッジファンド・モニターが提供したデータによると、ヘッジファンドが取引規模を拡大するために使用するレバレッジは、過去10年間で過去最高となっている。米国に登録されているヘッジファンドは、3月末時点でプライムブローカーから2兆3000億ドルの借り入れを抱えており、19年12月から約63%増加し、資産の伸びを上回っている。