【なぜか信頼される人の習慣】「過去の実績ばかり語る人」からお客様が離れていく決定的な理由

AI要約

お盆休みは、仕事の仕方をじっくり振り返るのに最適なタイミング。普段は忙しすぎて目の前の仕事や目標以外のことはなかなか考えられないという人も、いちど立ち止まり、仕事のやり方を振り返ってみては。

信頼については、これまでのどの仕事でも考えてきたことでした。信用との違いを明確にし、信頼は未来に向かう姿勢の中で築かれるものだと述べられています。

未来に向けた約束が信頼を築く一つの方法であることが例を挙げて説明されており、信用がなくても未来の信頼を構築していくことの重要性が強調されています。

【なぜか信頼される人の習慣】「過去の実績ばかり語る人」からお客様が離れていく決定的な理由

 お盆休みは、仕事の仕方をじっくり振り返るのに最適なタイミング。普段は忙しすぎて目の前の仕事や目標以外のことはなかなか考えられないという人も、いちど立ち止まり、仕事のやり方を振り返ってみては。そのときに考えたいのが「仕事で関わる相手と信頼関係を築けているかどうか」です。上半期も残りわずかとなるこの時期に、見直してみてはいかがでしょうか。

そこで今回は、2024年6月に発売するとたちまち重版となり、「仕事の本質を学べた」「お客様とのエピソードの数々に5回は泣きました」と反響を呼んでいる『記憶に残る人になる』の著者・福島靖さんと、株式会社Omoitsukiの代表であり『大人の夢の叶え方』の著者でもある幸義一さんに、目の前の相手から信頼を得るためのコツについて話していただきました。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

● 「信用」は過去。「信頼」は未来

 福島 靖(以下、福島) 僕はアメリカン・エキスプレスで法人営業をしていましたが、その前の6年間はリッツ・カールトンというホテルで働いていました。そこで学んだ「ホスピタリティ」を営業でも活かしてみたら結果が出たんです。

 これは、全く異なるように見える業界や職種ですが、「お客様から信頼を得る必要がある」という点が共通していたからです。ですから信頼については、これまでのどの仕事でも考えてきたことでした。

 ただ、その点でややこしいのが、「信頼」という言葉が抽象的であることです。よく似た「信用」という言葉もあります。そこでこのテーマについて考えていくうえで、まずはその定義について確認したいと思います。

 幸さんは、信頼と聞くとどのような印象がありますか?

 幸 義一(以下、幸) まず信用は、その人に対してこれまで積み上げてきたものの結果として生まれるものだと感じています。逆に信頼は、未来に向かう姿勢の中で見えるものだと思っています。

 過去がどうだったとしても、この人だったら未来に向けて何かを託してもいいと思える。あくまで僕の考えですが、そんな状態が「信頼されている」ということだと思います。

 福島 過去の話だけしていても、信頼は得られないということですね。

● 未来に向けた約束をしよう

 幸 最近、面白いなと思った30代の女性がいました。僕のSNS発信をよく見てくれている方で、LP(ランディングページ)やホームページなどを作るウェブマーケティングの仕事をしているようでした。でも、まだ駆け出しで実績も経験もない。SNSのフォロワーさんもまだ1,000人ぐらい。つまり信用がないということを、本人はわかっていました。

 では何ができるのか。

 彼女が掲げたのは「即レス」でした。

 「私は即レスだけは誰にも負けません」

 そう言ってアピールしていたんです。

 まさに、未来に向けた約束の話ですよね。

 「そんなことで仕事がくるの?」と思われるかもしれませんが、実際、受注を得ていました。それも、わりとインフルエンサーの人からも。それをきっかけに2件、3件、4件と、「続けて受注を取れました! 嬉しい!」というSNS投稿もされていました。

 キャリアチェンジしたり独立したりと、信用が使えない状態で新しいことを始める人は少なくないと思いますが、そんな人でも、自ら口にした約束をしっかり守っていくことで信頼は作っていけるんだなと、あらためて実感しました。

● 信用がなくても「信頼」はつくっていける

 福島 その感覚は僕もよくわかります。『記憶に残る人になる』でも書きましたが、信用はどうにもならなくても、信頼は自分でつくっていけるとも思うんです。

 たとえば僕は高卒です。そこだけ見ると信用はまったくないですよね。誰かと初めて会ったときに「ちゃんとした人なんだ」と信用してもらえるかというと、もはや無理です。

 とはいえ、過去に戻ってやり直すわけにもいかない。ですから、実績がない、つまり信用がない人は「信頼」にかけるしかないと思っています。

 少ない実績を多く見せたり、虚偽の実績をかたったりなどして無理に信用を得ようとするのではなく、未来の信頼にかけるほうがいいなと思うんです。信用を今からつくることはできませんが、信頼は今から構築していけますから。

 書籍でも紹介した、僕が独自に心がけていた「12のルール」は、まさに僕からお客様へ、未来に向けた「お約束」です。これを徹底したことで、成績最下位だった僕でも、少しずつお客様に信頼していただけたのだと思います。

 (本稿は、書籍『記憶に残る人になる』の著者・福島靖さんが行なった対談の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)

福島 靖(ふくしま・やすし)

「福島靖事務所」代表。経営・営業コンサルティング、事業開発、講演、セミナー等を請け負う。地元の愛媛から18歳で上京。居酒屋店員やバーテンダーなどを経て、24歳でザ・リッツ・カールトン東京に入社。31歳でアメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッドに入社し、法人営業を担当。お客様の記憶に残ることを目指し、1年で紹介数が激増。社内表彰されるほどの成績となった。その後、全営業の上位5%にあたるシニア・セールス・プロフェッショナルになる。株式会社OpenSkyを経て、40歳で独立。『記憶に残る人になる』が初の著書となる。

幸 義一(みゆき・よしかず) 外資系の製薬会社、医療機器会社を経て2021年3月に起業。全くの未経験からTwitter(現X)をはじめ、約2年でフォロワーが5万人に。集客、販売、採用、PRの全てをTwitterで賄ってきた経験から事業展開。「あなたにお願いしたい」と言われる人(アカウント)になるためのコンサルティング。(株)Omoitsukiを創業し現在4期目。SNSを使って求職者を集めるSNS採用支援をメインサービスとして提供。2023年「大人の夢の叶え方」を商業出版し、著者として講演活動なども行う。