コンニャク製造のオーカワ(奈良県下市町)が自己破産申請の準備 原料調達の大川商店も 負債総額は43億円

AI要約

オーカワと大川商店が自己破産申請の準備をしていることが明らかになった。

オーカワはコンニャク製造を中心に事業展開していたが、市場の縮小や競合の激化などにより困難が増えた。

経済産業省の認定企業であるオーカワは、借入金の返済負担や信用不安などから事業継続を諦めざるを得なかった。

コンニャク製造のオーカワ(奈良県下市町)が自己破産申請の準備 原料調達の大川商店も 負債総額は43億円

 帝国データバンク大阪支社は9日、コンニャク製造のオーカワ(奈良県下市町)が8日に事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったと発表した。同社の原料調達窓口を担っていた大川商店(同)も連鎖する形となり、2社合計の負債総額は約43億円。

 同支社によれば、オーカワは、1964(昭和39)年に創業し、2012年11月に法人化した大川商店の販売部門を分離して1985(同60)年7月に設立。コンニャクの製造販売を中心に、ごま豆腐やところてんの卸売も手がけ、流通大手や食品スーパー、小売店など約800社に販路を構築した。

 関西では業界トップクラスの規模を誇り、2011年10月からは大川商店の製造部門を継承。関西圏外の食品スーパーからの受注が増加した16年4月期には年売上高約44億5千万円を計上し、18年には経済産業省の「地域未来牽引(けんいん)企業」にも認定されていた。

 しかし、日本人の食の変化でコンニャク市場が縮小。同業他社との競合も厳しくなり、売上高は減少傾向で推移した。さらに原材料、エネルギー価格が高騰する一方、価格転嫁ができずに収益性が低迷。借入金の返済負担に加え、取引先への支払い遅延、従業員の相次ぐ退職、商品の不具合などが重なって信用不安も招き、事業継続を断念した。