「なぜこのタイミングなんですか!」人事異動に納得いかず承諾しなかった社員がコロッと落ちた何気ない一言

AI要約

部下の失敗から学び成長させる重要性について

失敗を恐れずチャレンジさせる一方で、雑な失敗を許容しない姿勢が必要

部下の本気度を見極めて、失敗後の学習の機会を設けることの重要性

■【グループ 考え方に問題がある】暴走タイプ

 二度とチャンスを与えない部下の特徴

 私の場合、一回は本人の気の済むようにやらせます。もちろん、経営が傾くレベルの行為があれば職権でストップしますし、経験の浅い部下にそこまでのリスクを背負わせないように気を付けますが、それ以外なら本人の望み通りにとことんやらせてみるのです。

 「あえて失敗させる」と言うと少し語弊がありますが、結局のところ、人は失敗からしか学べません。手痛い思いをして初めて丁寧に調査し、万全の準備を整え、合意や確認を取りつけて、慎重に進めることを覚えるのです。

 あなたの職場では「失敗を恐れるな」と言いながら、失敗する直前にストップをかけていませんか。失敗は、本人がはっきりそれとわからなければ、意味がありません。直前に上司がストップをかけてしまえば、「またですか! なぜ何度言っても理解してくれないんですか」と部下が怒るのは当たり前でしょう。本人は一つも腹落ちしていないのですから。

 経験豊富な上司からすれば助け船を出したつもりでも、本人は「あのまま自分の思い通りにやらせてくれればできたはずなのに」と都合よく解釈するに違いありません。そうしたことが何度か繰り返されると「この職場ではやりたいことができない」と鬱憤を募らせて、最後には転職してしまうのです。

 経営層は若手を育てるためのコストと割り切れますが、中間管理層にとってはそうではないかもしれません。部下の失敗が自らの失点になる、という意識があるからです。

 経営層まで若手の不満の声が聞こえたり、中間管理層とのギクシャクが見えているなら、それは風通しのよい証拠です。経営層が中間管理層に「わかっているよ。部下が暴走気味なんだろう。育てるつもりで一度やらせてみたらいい」と伝えればいいだけです。

 どの部下も、失敗しようと思って行動しているわけではないはずです。自分の評価を上げるため、所属する部署の売り上げに貢献するため、会社のためと思っての行動なら、それでいいではありませんか。

 失敗から学び、前進している限り、チャンスは何度でも与えていいと思います。「チャンスは一度限りで、失敗したら次がない」文化をつくってしまうと、萎縮して誰もチャレンジしなくなってしまうでしょう。

 ただし、雑な失敗は認めません。経営者や上司が「失敗を恐れずチャレンジしろ」と言ったのをいいことに、ろくに計画を立てず準備もしないで独り相撲をとり、揚げ句の果てに「失敗してもいいって言ったじゃないですか」と開き直るような者には、二度とチャンスは与えません。

 なぜなら、その失敗から本人が学べるものは何もなく、仲間が共有できる教訓もなく、ただただチームに損害を与えるだけだからです。反省もないまま次のチャンスを与えたところで、同じミスを繰り返すのが関の山。失敗を経験させ成長の機会を与えるのは、本人が会社のためを思って本気で成功する気でいるのが大前提です。

 部下の本気度を見極め、失敗直後に学習の機会を設け、本人の将来に繋げることもまた、チームをマネジメントする上司の重要な責務です。(川端)

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失敗させたらいい。またチャンスをあげたらいい

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