4チームから7人のウイナーが誕生 混戦模様の2024年F1前半戦からタイトルの行方を占う

AI要約

2023年に3連覇を果たしたマックス・フェルスタッペンは、2024年のF1シーズンもチャンピオン争いをリードしている。

シーズン序盤はフェルスタッペンが圧倒的な強さを見せていたが、後半戦では戦局が変わりつつある。

マクラーレンがチームとして好調で、レッドブルにプレッシャーをかけている状況が続いている。

4チームから7人のウイナーが誕生 混戦模様の2024年F1前半戦からタイトルの行方を占う

「またとないシーズンだった」

2023年の最終戦アブダビGPでこう語ったのは、3年連続でチャンピオンとなったマックス・フェルスタッペン。22戦して10連勝を含む19勝を記録し、表彰台には21回も登壇、ドライバーズランキング2位に終わったチームメイトのセルジオ・ペレスには290点もの大差を築いて他を圧倒 ── まさに“2度目はない”と思えるような、絶頂を極めたシーズンだった。

3月にバーレーンで開幕した2024年のF1は、先の第14戦ベルギーGPを終えて恒例のサマーブレイクに入った。チャンピオンシップをリードするのは、今年もフェルスタッペンとレッドブルだが、無敵を誇った前年とはまったく異なる様相を呈している。

【ドライバーズチャンピオンシップ】

<開幕戦から第14戦まで>

1位 マックス・フェルスタッペン 277点

2位 ランド・ノリス 199点

3位 シャルル・ルクレール 177点

4位 オスカー・ピアストリ 167点

5位 カルロス・サインツJr. 162点

6位 ルイス・ハミルトン 150点

7位 セルジオ・ペレス 131点

8位 ジョージ・ラッセル 116点

今季これまで7勝しているフェルスタッペンは、フェルスタッペンは、2位のノリスに対して78点ものリードを築いている。3回のスプリントを含めた残り10戦、1レースあたり8点ずつ縮めればノリスが逆転で初戴冠となる計算だ。もちろん不可能ではないが、ノリスの前には高いハードルが待ち構えていることは明らかだ。

しかし、2024年の後半10戦が凡戦の消化試合となるかといえば、そうはならないだろう。これまでの14戦のうち、前半と後半の7戦を比較すると、局面ごとに主役が交代しており、特に第8戦以降の7戦では、フェルスタッペンとレッドブルが明らかに劣勢に立たされているからだ。

【ドライバーズチャンピオンシップ】

<第8戦から第14戦まで>

1位 フェルスタッペン 116点

2位 ハミルトン 115点

3位 ピアストリ 114点

4位 ノリス 98点

5位 ラッセル 72点

6位 サインツJr. 69点

7位 ルクレール 64点

8位 ペレス 24点

上のとおり、5月の第8戦モナコGPから7月末の第14戦ベルギーGPの7戦を抜き出すと、フェルスタッペンとハミルトン、ピアストリまでが1点差で並ぶ接戦状態。シーズン序盤のレッドブルの対抗馬だったフェラーリのサインツJr.とルクレールが競争力を落とし、フェルスタッペンのチームメイトであるペレスに至ってはたった24点しか加算できずスランプに陥っている。

この戦力図の変化は、チーム同士のポイントを比較するとより如実にあらわれてくる。

【コンストラクターズチャンピオンシップ】

<開幕戦から第14戦まで>

1位 レッドブル・ホンダRBPT 408点

2位 マクラーレン・メルセデス 366点

3位 フェラーリ 345点

4位 メルセデス 266点

5位 アストンマーティン・メルセデス 73点

<第8戦から第14戦まで>

1位 マクラーレン 212点

2位 メルセデス 187点

3位 レッドブル 140点

4位 フェラーリ 133点

5位 アストンマーティン 29点

第8戦~第14戦のダントツのトップスコアラーはマクラーレン。2番目に多くポイントを獲得したのはメルセデスで、レッドブルは3位に甘んじている。

年間ポイント数でも、マクラーレンに対するレッドブルのリードは42点しかなく、第6戦マイアミGPで最大115点もあった両チームのギャップは、シーズンが進むにつれてジリジリと縮まってきている。チャンピオチームがリードしてシーズンを折り返しているが、ライバルの攻勢を前に連覇に黄色信号がともり始めている。