同期がフリーランスへ転身し「完全在宅」で仕事をしています。フリーランスになると家賃や光熱費を「経費計上できるメリット」があるそうですが、支払う税金の総額はどちらが多いですか?

AI要約

会社員とフリーランスの税金の計算方法と所得の違いについて解説。

収入と所得の違い、給与所得と事業所得の違い。

会社員の給与所得と必要経費、給与所得控除の仕組み。

同期がフリーランスへ転身し「完全在宅」で仕事をしています。フリーランスになると家賃や光熱費を「経費計上できるメリット」があるそうですが、支払う税金の総額はどちらが多いですか?

会社員とフリーランス(個人事業主)では、得た収入に対して支払う税金の計算方法の違いから、支払う税金の総額も異なってきます。本記事では、どちらの税金が多くなるか、考えるうえでのポイントを解説します。

「収入」と「所得」には似たような意味合いがありますが、税制上は異なる使われ方をしています。税金のことを考える時は、この2つを区別する必要があります。

収入とは、労働やサービスの対価として受け取る報酬のことを総じて指します。会社員であれば会社からの「給与」、フリーランスであれば「売上」がそれぞれ収入に該当します。

なお、会社から支給される給与は一般的には金銭ですが、現物給与も含まれることがあります。現物給与には、次のような例があげられます。

(1)物品その他の資産を無償または低い価額により譲渡したことによる経済的利益

(2)土地、家屋、金銭その他の資産を無償または低い対価により貸し付けたことによる経済的利益

(3)福利厚生施設の利用など(2)以外の用役を無償または低い対価により提供したことによる経済的利益

(4)個人的債務を免除または負担したことによる経済的利益

出典)国税庁 No.2508 給与所得となるもの

一方で、所得とは、収入から「必要経費」を差し引いた金額のことを指します。また、必要経費とは、収入を得るために発生した支出のことです。

所得を求める計算式

収入 - 必要経費 = 所得

所得税法上、所得はその性格により、次の10種類に分類されています。

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

出典)国税庁 No.1300 所得の区分のあらまし

このうち、会社員の所得は「給与所得」に該当し、フリーランス(個人事業主)の所得は「事業所得」に該当します。

■会社員の給与所得の算出方法

会社員の給与所得は、給与や賞与などの給与収入から「給与所得控除」を差し引いた金額です。

収入(給与) - 給与所得控除額 = 給与所得

会社員には、原則として必要経費は認められていません。しかし、会社員も仕事のためにスーツや仕事用のバッグを購入したり、時には移動のために交通費を負担したりすることもあるでしょう。給与所得控除は、こうした会社員の事情を考慮して設けられている制度です。

図表1