軽装はヤバい! ハーレー乗り20年超のライダーが経験した“猛暑”の代償 思いのほかダメージ大きい

AI要約

日本の猛暑で、バイクの安全装備は暑さ対策と真逆であることが問題となっている。

経験者の事故体験から、軽装でのバイク事故は重傷につながる可能性があることが明らかになっている。

安全装備を着用すれば、小さな事故でも大きな被害を防ぐことができることが示唆されている。

軽装はヤバい! ハーレー乗り20年超のライダーが経験した“猛暑”の代償 思いのほかダメージ大きい

 記録的な猛暑で、日本の夏は屋外に出ると熱中症の危機感を覚えるほどです。そんな中、バイクの安全装備はヘルメット、プロテクター、グローブなど暑さ対策と真逆。半キャップにサンダル履きで乗りたい誘惑が身を焦がすところですが、バイクの軽装は、小さな事故でも軽傷では済まないリスクがあります。猛暑の装備、経験者が語ります。

「いや、これ、くるぶしまであるハイカットのスニーカーで、布製ですけど甲の部分はスエード調の革を当ててるんです。それでもだめでしたね。いつも大丈夫だと思って乗っていたから驚きました」

 空冷の「ソフテイル」(ハーレーダビッドソン)に乗り続けて20年余り。片道25kmの通勤にハーレーを愛用する高橋祐亮さん(42歳 ※「高」は、はしごだか)は、鞄や靴のリペア職人として東京都内に店を構えています。

 その事故は、東京都千代田区内の片側2車線の都道を走行中に起きました。

「JR飯田橋駅の陸橋の手前に、左から合流する一方通行のT字路があります。そこから原付バイクが急に出てきて追越車線側に寄っていこうとしたので、ハンドルを左に切ってやり過ごした。その後すぐに右にハンドルを切って、もとの走行車線に戻ろうとしたところ、フロントフォークがガタガタって揺れだして、コントロールが効かなくなったんです」

 ヒラリヒラリと前方のバイクをかわし、いつもなら難なく過ぎていくところでした。

「いきなりでしたね。車体とアスファルトに足をはさまれて、多少引きずられるような感じで転倒しました。それで、足を抜いて、バイクを起こして路肩に寄せることができたぐらい。ガソリンとエンジンオイルをばらまいてましたから。マジかっ、て思いが強くて、その時は自力で歩いてました」

 転倒は自損事故という形で、偶然に後ろを走っていたパトカーが止まって、その場で処理が始まりました。

「警察官に事情を話していた時に、だんだん足の甲に痛みを感じるようになって、警察が呼んでくれた救急車に乗り込む頃には痛さマックスでした」

 救急病院で診察を受けると、ダメージを受けた右足の甲の皮膚が真皮に届くほど削られていたため、骨折など重症に至るダメージはなかったのですが、感染症予防のために入院することになりました。

「入院は1週間ほどで、退院後すぐに仕事に復帰したのですが、地面にかかとしかつけられない。痛いですからね。常につま先を上げて松葉づえで歩くのはつらかったし、私生活にも影響が出ました。1カ月経っても傷口が乾かずに、毎日、傷口洗って薬を塗ってましたから」

 その時以来、高橋さんは鉄馬の代わりに軽合金の松葉づえで通勤。完治までに2カ月を要しました。

 重傷にならない小さな事故は、安全装備で防ぐことが可能です。これは、その警句となる経験談です。