ソフトバンクG赤字1742億円 前年比縮小、市場不安定も人工超知能「ASI」投資強化

AI要約

ソフトバンクグループが令和6年4~6月期連結決算を発表し、純損益が1742億円の赤字だった。投資事業の改善による業績回復傾向と米国景気減速懸念が両立している。

純損益の赤字は為替差損が主な理由で前年同期比は縮小。株式市場の影響で投資損益は黒字に転じ、AI関連投資への注力を示す。

市場は不安定で、下落基調では投資の好機とも考えられる。AIの進化形ASIの実現に向け、関連企業への投資を強化する姿勢を示した。

ソフトバンクG赤字1742億円 前年比縮小、市場不安定も人工超知能「ASI」投資強化

ソフトバンクグループ(SBG)が7日発表した令和6年4~6月期連結決算は、純損益が1742億円の赤字だった。世界的な株高に支えられた投資事業の改善で業績は回復傾向にあるが、米国の景気減速懸念が意識され始め、市場の先行きは見通せない。後藤芳光最高財務責任者(CFO)はこの日の記者会見で「保守的に見ていくタイミングだが、投資の好機でもある」と述べ、注力する人工知能(AI)関連投資を強化する方針を示した。

純損益の赤字は為替差損が主な理由で、4776億円の赤字だった前年同期から赤字幅は縮小した。堅調な株式市場における投資先企業の価値向上が寄与し、主力のSBG本体や傘下の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」などを通じた投資損益は5597億円の黒字(前年同期は6990億円の損失)だった。

ただ、米国の景気に減速懸念が見られ始めた影響は大きく、投資事業の好調が続くかは見通せない。5日には日経平均株価が過去最大の下落幅を記録したが、翌6日には一転して過去最大の上昇幅となるなど、株式市場は世界的に不安定な状況だ。

後藤氏は足元の環境について「(市場が)神経質なのは間違いない」と述べた一方「下落基調のときは投資の好機でもある」とも分析。孫正義会長兼社長が6月の定時株主総会で示した人類の1万倍の知性を持つAIの進化形「ASI(人工超知能)」を実現すべく、関連企業などへの投資へ注力する考えを強調した。