秋のiPhoneのOSアップデートで、長年苦しめられた“パスワード地獄”から解放されるかもしれない
今の世の中、パスワード管理を苦痛と思っていない人はいるだろうか?
『大文字小文字の英文字、数字、記号をランダムに組み合わせる』、『ほかのサイトのパスワードを使い回ししない』、『定期的に変更する』、『コンピューターの中にメモを残さない』……すべての条件を受け入れて生活を送るのは、だいぶ難度が高い。
■パスワード管理は本当に大変
筆者が使っているアカウントとパスワードは数百存在するだろう。全部暗記するほどの脳は持ち合わせていない。みんなどうしているのかとしばし考える。
さらにパスワードを忘れてしまった際の仕打ちもたいへん厳しい。
「あれ? このパスワード、これじゃなかったっけ?」と何度も入れ直しているうちに、無情にも『あなたのパスワードはロックされました』の文字。これが仕事のアカウントだったり、日々使っている重要な通信手段のアカウントだったりすると目も当てられない。さらに海外のサービスの場合、企業の多くは非常時用の窓口を用意していないし、電話番号の記載もない。
「詰んだ……」という経験をした人も多いのではないか。
登録されているメールアドレスでパスワードを再発行するたびに、「1年以内に使われたパスワードは使えません」などと言われ、パスワードを変更しているうちに、いよいよ何が何だかわからなくなってしまう……。
パスワードジェネレーターを使ってパスワードを生成する手もあるが、長くて複雑なパスワードほど、書き写し時にミスが発生したりして、またログインできなくなる可能性が高まる。2段階認証も同様だ。強固なことは重要だが、海外にいてSMSを受信できなかったりすると、これまた詰む。
「誰だよ、パスワードなんて仕組みを作ったのは?」「人類はパスワードよりマシな仕組みを作れないのか?」などと愚痴りたくなる気持ちもよくわかる。少なくとも30年前にはパスワードや暗証番号で、こんなに苦労することはなかったと思う。詐欺師や悪質なハッカー(クラッカー)が頑張ってくれたおかげで、企業はかくも高い防壁を築いてしまった。
■安全にパスワード管理をする方法は?
安全に管理する方法はいくつかある。