[WR-V]の元祖は半世紀前から存在した? ホンダお墨付きのシンプル車名の歴史とは

AI要約

ホンダ初の小型乗用車「ホンダ・1300」から始まる、ホンダの英数字車名の歴史をたどる。

1970年代の希少な小型セダン77や、Sシリーズ第2弾のS600など、数字やアルファベットからなるシンプルな車名が特徴的。

さらに、S2000などもその系譜にあり、シンプルだが魅力的な車名の素晴らしいクルマがホンダには多数存在する。

[WR-V]の元祖は半世紀前から存在した? ホンダお墨付きのシンプル車名の歴史とは

 ホンダの車名が他社と違う点、それはズバリ英数字車名だ!WR-VにZR-V、もっと言えばS660など英数字のみを用いてそのクルマを体現する。そんなホンダの英数字車名だが、始まりはかなり古い。今回はそんなホンダお墨付きの車名の歴史を追っていこう。

 文:佐々木 亘/写真:ホンダ

 シンプル車名の名車第一弾は、ホンダ初の小型乗用車「ホンダ・1300(せんさんびゃく)」だ。特にセダンタイプの「77」シリーズは、のちに単一車名の「ホンダ・77」となって、ホンダ乗用車の礎になった。

 エクステリアデザインはシンプルだが、ロングノーズが象徴するスタイリングは、フレッシュな印象を与え、ソフトな丸みがファミリーカーとしての落ち着きも醸し出している。

 1970年代に人気を集めたクルマでも、オートマチックトランスミッションを売りにしているがホンダらしい。エンジンそのものをオートマチック用に作り上げ、ミッションと一体になった機構は、スムーズでソフトな変速を楽しむことができる。

 MTがあたりまえの時代に、ツーペダルドライブを楽しめた、希少な小型セダン77。数字だけのシンプルな車名だが、ホンダらしさを全面に出した、稀代の名車である。

 数字だけの車名から、アルファベットを組み合わせたものへ変化していったホンダ車の名称。中でも車名にSを冠したSシリーズ第2弾、「S600」は現在でもファンが多い。

 エンジンには4キャブレターのDOHCが採用され、57馬力を叩き出す。当時のカタログによると、ゼロヨン加速は18.7秒だったらしい。606ccの限られた排気量ながら、レッドゾーン9,500回転という高回転エンジンでしっかりと馬力を出す特性は、レースエンジンさながらだ。

 また、Sを冠したモデルでは、S2000も忘れることはできないだろう。フロントミッドシップレイアウトで、車体の前後重量バランスが50:50となり、VTEC搭載のF20C型エンジンはレッドゾーン9,000回転で、250馬力を出す。

 「S+数字」も、ホンダの名車の方程式か。シンプル車名の素晴らしいクルマは、まだまだ出てくるぞ。