相棒の「ゑびす丸」を駆るデコトラ界の重鎮に密着! 生涯現役を貫く50年に及ぶデコトラ人生!!

AI要約

西川和宏さんはデコトラ界の重鎮であり、平成13年日野プロフィアテラビィを駆る50年以上の運転手歴を持つ大ベテランだ。

彼はデコトラブームを牽引し、数々のメディアに登場してきた実績を持つ。今も現役でハンドルを握り続けている珍しい存在だ。

取材では、彼の運行の様子や積荷の内容に迫り、地元産の青果物や鮮魚を大阪の市場に運ぶ姿を垣間見ることができた。

相棒の「ゑびす丸」を駆るデコトラ界の重鎮に密着! 生涯現役を貫く50年に及ぶデコトラ人生!!

 好きなことを仕事にして稼ぐ。これは多くの人にとって人生の重要な選択だ。乗りものが好きだからハンドルで稼ぐ。国内の流通を支えるトラックドライバーたちがいるからこそ、日常の生活を過ごせているのだ。今回紹介するのは、プロドライバーからも尊敬の眼差しで一目置かれる大ベテラン。そんなプロドライバーの仕事ぶりを紹介しよう。

 今回の主人公はデコトラ界の重鎮の一人、西川和宏さん。和歌山県の北部・紀の川市に拠点を構える運送会社「グランドキャリー」で平成13年日野プロフィアテラビィを駆る西川さんは、運転手歴50年を迎える大ベテランだ。重鎮と称される理由は、全国にデコトラブームを巻き起こした東映の映画『トラック野郎』のころから現在まで“生涯現役”を貫き通し、令和5年の現在もハンドルを握る数少ない現役ドライバーだからだ。

 同氏といえば第2次デコトラブームの頃に日野KFの大型保冷車をベースにした、天井まで含め箱4面ペイントを入れた”鯨のトラック”が有名。デコトラ専門誌を筆頭に『元気がでるTV』や『トラックレースグランプリ』、そして『地球発19時』へも出演している。さらには日本映画『道』(1986年製作/主演・仲代達矢)のシナリオハンティング協力など、西川さんと相棒の“ゑびす丸”はデコトラフリークなら誰もが知る存在なのだ。

 同行取材した際の運行は、紀州紀の川から摂津河内への往復230kmの航海。往路は和歌山名産のミカンや当地で穫れた白菜やレタス、キャベツ、菜の花などの青果物を運ぶ。復路は鮮魚と積荷の中身はさまざまだ。

「これから紀の川市の倉庫と岩出市の農協で地元産の青果を集荷し、大阪の本場(大阪市中央卸売市場本場)と東大阪市の青果販売会社の倉庫に向かいます。帰り荷は鮮魚。北部市場(大阪府中央卸売市場)で積んで、大阪市の東部市場と和歌山市中央卸売市場で降ろす、という流れになります」と説明してくれた。

「往路の青果はいつも時間に余裕がありますが、復路の鮮魚はシビア。和歌山の市場は午前3時にセリが始まるのでまさに追っかけですよ」と西川さん。紀の川市のグランドキャリーを出発したのは昼過ぎの14時。日付を跨ぐ航海の始まりだ。