高速バス富山―東京運休 富山地鉄 9月の20便、運転手不足で

AI要約

富山地方鉄道(富山市)は、高速バスの一部便を9月に20便運休し、運転手不足への対策を取る

運休期間は祝日を除く月~水の10日間で、貸し切りや生活路線の優先による措置

運休により利用者への影響が出る可能性あり、対策として運転手採用の支援制度を拡充

高速バス富山―東京運休 富山地鉄 9月の20便、運転手不足で

  ●貸し切り、生活路線を優先

 富山地方鉄道(富山市)は9月、高速バスの富山―東京間の計20便を運休する。1~3日に富山市八尾町中心部で開催される「越中八尾おわら風の盆」や学校の修学旅行などの貸し切りや既存の生活路線に対応するため。同社は今年に入り、入社した運転手に貸与する支度金の増額で対策を講じているが、バスの廃止や減便が相次いでおり、運転手不足に歯止めが効かなくなっている。

 運休するのは、9月2~25日のうち、祝日を除く月~水の10日間。各日4便が運行する中、東京行き午前6時発と富山行き午後10時50分発の2便を取りやめる。5月にも修学旅行による貸し切りバスの需要増に伴い、高速バスの5路線で60便を計画運休しており、同様の措置となる。

 同社の運転手は5月末時点で186人と、定員(219人)に対する充足率は85%にとどまる。近年は不足を受け、「生活路線が最優先」(中田邦彦社長)と高速バスのてこ入れが進み、3月には北陸鉄道(金沢市)と共同運行する富山-金沢線が廃止。7月には名鉄バスと共同運行する名古屋線が1日14往復から1日10往復に減便している。

 対策として3月からは、運転手として入社した人に「入社支度金」として従来、30万円を貸与していたところ、100万円に増額する制度を開始した。大型二種免許を持つ経験者だけでなく、免許を持たない未経験者も対象に、8月末まで募っている。昨年度はコロナから復調の兆しも見え、高速バスの輸送人員は2022年度比45%増の20万7千人。営業収益も48%増の6億4424万円となった。 秋の大型連休を控え、需要増が見込まれる中での運休に担当者は「走らせたい気持ちはあるが、どうしようもない。利用者には理解をいただきたい」と述べた。