「MINI」のサイズで運べる量は「タコマ」レベル! 2026年発売予定の「テロトラック」は日本でもバカ売れしそうな中身だった

AI要約

アメリカ人がトラック好きなのはご承知のとおり。都市部での取りまわしや環境問題に対する課題に直面しているが、新しいスタートアップ企業が小型で効率的なEVトラックを開発中。

テロトラックは安全性の確保や荷台の効率性にこだわり、先進技術や新素材を駆使している。バッテリー技術の進化により、小型サイズながら長距離走行が可能。

販売価格も手ごろであり、2026年のリリースに期待が高まっている。航続距離やパフォーマンスも充実しており、将来性が期待される。

「MINI」のサイズで運べる量は「タコマ」レベル! 2026年発売予定の「テロトラック」は日本でもバカ売れしそうな中身だった

 アメリカ人がトラック好きなのはご承知のとおり。どでかいフルサイズをグイグイ&ゆったり走らせているイメージですが、やっぱり都市部では取りまわしに苦労する場面もあるとか。また、人身事故を起こす確率が高いのもフルサイズのトラックだそうで「欲しいけど、あんなにデカいとねぇ……」という声もあがっている模様。

 そんなトラックが大好きな国にとって、テロトラック(テロの発音はハローに等しいようです)のニュースは大々的に報じられ、早くとも2026年リリースというのに先行投資が数億円も集まったとのこと。いろんな意味でスケールが違うトラックなようです。

 テロ社(目的または目標を意味するギリシャ語のテロスに由来)はカリフォルニアのスタートアップ企業で、トラックづくり以前にEV向けバッテリーの小型化技術で頭角を現しました。なにしろ、アメリカで普及しているEVのバッテリーと比較してスペース使用率が最大50%に縮小できるといいますから、EVの設計自由度もダダあがりに違いありません。

 また、テスラのバッテリーパックを設計するなど、EVに関する特許を15ももっているフォレスト・ノース氏をCTOに置き、「ローバー」「アストンマーティン」などの重職を歴任したアンディ・パーマー氏や、自動運転車両の最初のレーダーシステムの開発や高容量商用EVを出荷したCEOのジェイソン・マークス氏など、自動車業界の錚々たるメンバーが揃っています。

 で、彼らを突き動かしたのが「フルサイズトラックは米国の炭素排出の1割以上を占める」というデータ。環境系のニュースにうるさい人が多いアメリカならではって感じ。そこで、テロ社はスペース効率に優れたバッテリー技術をはじめ、最新の先進安全技術やまったく新しい材料技術を用いたトラックを開発することに。それこそが「ミニのサイズで、タコマの仕事量」を掲げたテロトラックなのです。

 全長はミニと同等の3.8m(!)ながら、キャビンは身長180cmの大人が無理なく4人乗れるスペースを確保。また、ベッド(荷台)の容量はタコマとほぼ変わらないといいますから、いかに効率に優れたスタイルかよくわかります。いうまでもなく、テロ社が誇る省スペースなバッテリーが功を奏しているほか、エンジンレスなパッケージが自由度を上げているに違いありません。

 独特なショートノーズを見て「衝突安全性に問題あり!」とドヤ顔する方がいるかもしれませんが、こちらも耐衝撃性&復元力に優れた新素材の採用に加え、前述のレーダーシステムなど、先進のパッシブセーフティ機能でクリア。アメリカの基準はわりと厳密ですから、テストをパスしていればまず問題ないはず。

 テロトラックの荷台はパーティションが折りたたみ式のミッドゲートで、開くとベッドの長さが8フィート(約2.4m)に伸び、長さ4フィート(約1.2m)の合板を収めるのに十分な幅を確保しています。目標積載量は1600ポンド(約726kg)、最大牽引能力は6600ポンド(約2994kg)で、日産フロンティアやシボレー・コロラドといったフルサイズトラックと同様。と聞くと、フルサイズを苦労して転がすのがイヤになるかもしれませんね。

 床下スペースは、特許出願中の高電圧バッテリーが占めています。106kWhのパックの上部にはセルを結合するために必要なすべての配線とコネクタを納め、高さはわずか4インチ(約10cm)。航続距離は350マイル(約560km)を目標としており、充電時間は20~80%で20分です。

 合計出力は500馬力と301lb-ft(約41.6kgm)のトルクで、0-60mph加速は4秒といいますから、トラックとしては十分すぎるパフォーマンスかと。なお、現状の設計では最低地上高が10インチ(約24cm)、ホイールのトラベル量が8インチ(約20cm)で、オフロードで歯が立たない、というわけでもなさそうです。

 とかくスタートアップ企業は製品やサービスのリリース前に派手な花火を打ち上げて、投資マネーを集めるものですが、なんだかテロトラックは開発ロジックがしっかりしてそうで、リアルに期待できそうな気がしてなりません。販売価格は5万ドル(約760万円)を予定しているとのことですが、多少高くなったとしても、既存のゴージャスなフルサイズトラックに比べたら手ごろなもの。そう考えると2026年のローンチにワクワクし始める方も少なくないでしょう。

 そんな新しもの好きは、ぜひテロの公式サイトで予約をしてみてはいかがでしょう。わずか152ドルのデポジットで夢のあるトラックが予約できますよ!