非正規男性の悲鳴…「団塊ジュニア」が直面する、正社員との残酷な給与格差

AI要約
中高年男性の給与の実態が厳しい状況であり、年齢別の平均給与を示すデータからはその現状が浮かび上がる。若い世代は給与が伸びる可能性がある一方、中高年世代では世代内格差が問題視されている。就職氷河期世代である団塊ジュニアは厳しい経済状況に直面し、非正規の職員・従業員数が増加している。
非正規男性の悲鳴…「団塊ジュニア」が直面する、正社員との残酷な給与格差

「働きたくても働けない」。年齢別の給与額を見れば、中高年男性の厳しい実態が明らかになっています。総務省『労働力調査(詳細集計)』(2024年1~3月期平均結果)などとともに見ていきましょう。

国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)では、年齢別の平均給与が明らかになっています。その結果は下記のとおり。

【年齢別平均給与・男女計/全体平均458万円】

20~24歳・・・273万円

25~29歳・・・389万円

30~34歳・・・425万円

35~39歳・・・462万円

40~44歳・・・491万円

45~49歳・・・521万円

50~54歳・・・537万円

55~59歳・・・546万円

60~64歳・・・441万円

65~69歳・・・342万円

給与額のピークは50代後半。働き盛りの若い世代は、「これから頑張って働き続ければお金も順当に増えるのかな」と、少し明るい気分になるデータでしょうか。

他方、中高年の間では「世代内格差」が問題視されている現実があります。就職氷河期に直面した団塊ジュニアの方々は特に、正規・非正規の強烈な格差を痛感していることでしょう。

「就職氷河期」。今でこそ誰しもが知っている言葉ですが、政府が本格的な就職氷河期世代の支援を始めたのは2019年のこと。翌年、新型コロナが爆発的に感染拡大したことを踏まえると、やはり「不遇の時代」が今なお続いていることは想像に難くないでしょう。

そして就職氷河期の先陣を切った世代、団塊ジュニア。第2次ベビーブーム世代のことを指します。おおよそ1971年~74年生まれであり、現在49歳~53歳の方々です。

度重なる不況に苦しめられてきた団塊ジュニア。ひとつ前の世代はバブル期であり、売り手市場のなかで勤め先を決めたものですが、彼らは厳しい生活を余儀なくされました。

総務省『労働力調査(詳細集計)』(2024年1~3月期平均結果)によると、非正規の職員・従業員数は2,137万人。9期連続で増加しています。

非正規となった理由については「自分の都合のよい時間に働きたいから」746万人、「家計の補助・学費等を得たいから」354万人、「家事育児・介護等と両立しやすいから」231万人、「正規の職員・従業員の仕事がないから」184万人、「専門的な技能等を活かせるから」168万人、「通勤時間が短いから」109万人、となっています。

ただ、上記は男女合計のアンケート。働き方の多様化が進んではいますが、女性の場合、家事をしながらパートで働く、という選択肢を取るのも一般的です。

そこで男性に限ったアンケート結果を見ていくと、「自分の都合のよい時間に働きたいから」240万人に続き、「正規の職員・従業員の仕事がないから」の92万人が多くなっています。