面接官「一度も正社員経験がないのはなぜですか?」 ずっと非正規だった人「氷河期世代ということもあり…」←不採用になる回答【キャリアコンサルタントが解説】

AI要約

転職回数が多い、非正規であることが面接での弱点とされる場合、適切な回答方法を紹介。

雇用形態にとらわれず、自身の働き方や強みをアピールすることが重要。

NG回答の例やOK回答の例を通じて、面接での適切な対応方法を学ぶ。

面接官「一度も正社員経験がないのはなぜですか?」 ずっと非正規だった人「氷河期世代ということもあり…」←不採用になる回答【キャリアコンサルタントが解説】

転職回数が多い、非正規だった…。面接で“弱点”を突かれたとき、どのように答えるとよいのでしょうか。1万人の転職を支援してきた中園久美子氏の著書『それでも採用される! 転職面接の受け方・答え方』(日本実業出版社)より一部を抜粋し、「転職に不利」を「アピールポイント」に転換するコツを紹介します。今回は「一度も正社員の仕事に就かなかったのはどうしてですか?」「正社員になったら転勤や残業はできますか?」と聞かれた場合のNG回答・OK回答を見ていきましょう。

総務省の調査によると、雇用者のうち非正規雇用者の割合は36%以上となり、いまや3人にひとりが非正規社員ということになります。多くの人が長期的に安定した働き方を望んでいます。

面接官ももちろんそのことは承知しています。ただ、そうはいってもずっと非正規社員だったというのは、正社員にならない(なれない)事情がなにかあるのではないかと思ってしまうのです。また、正社員の良い条件ばかりに目がいっているのではないかと面接官は気になるのです。

雇用形態ばかりに注目するのではなく、面接官の不安を払拭し、あなたがこれまで懸命に取り組んできた仕事への姿勢や強みを全面に伝える努力をしましょう。

■NG回答の例

「これまでも正社員の求人にチャレンジしてきたのですが、【❶氷河期世代ということもあり】願いは叶いませんでした。今回、【❷「氷河期世代優遇」】とありましたので、【❸今度こそ大丈夫だ】と思い応募しました。」

× ❶⇒正社員の仕事に就けなかった原因を「氷河期世代」のせいにしているように聞こえる

× ❷⇒応募者にとってプラスの条件を面接官にアピールしても意味はない

× ❸⇒根拠のない自信

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<採用に近づくヒント>

正社員の働き方と非正規社員の働き方について客観的に理解できていることを伝えましょう。また、愚痴や泣き言は言わないようにしましょう。

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■OK回答の例(1)

「これまでも正社員の求人に何度か応募しましたが、【(1)私の努力不足】で思うようにいきませんでした。【(2)契約社員としてこれまで2社で働きました】が、【(3)正社員の方はプロジェクト全体に目を行き届かせている】ことに気づきました。そのような方とご一緒させていただいたことで、【(4)御社で正規、非正規にこだわることなく、全員で力を合わせたより良い仕事をしていきたいと思い】応募しました。」

◎ (1)⇒自分の責任と謙虚に言えている

◎ (2)⇒事実を隠さず伝えている

◎ (3)⇒正社員の働き方について客観的に理解ができている

◎ (4)⇒その経験を活かし、どのような働き方ができるか述べられている

■OK回答の例(2)

「はい、長くA社に派遣社員ではありますが勤めておりました。【(1)A社に勤めることができたのも、派遣という雇用形態を選択できたからこそと考えております】。そこで、【(2)最新の技術を習得できました。多くの技術者との人脈も築くことができました】。御社に採用になりましたら、この技術と人脈を活用し、【(3)日本の技術革新のために貢献】したいと願っております。」

◎ (1)⇒派遣社員ということをポジティブに捉え、A社での経験が基調であることを伝えられている

◎ (2)⇒そこで培った技術や人脈を持っていることをアピールできている

◎ (3)⇒将来のビジョン、社会貢献のために働きたいと宣言できている