日英伊の次期戦闘機、ファンボローで新モックアップお披露目「25年は重要な節目」

AI要約

ファンボロー航空ショーでは815億ポンドの取引が成立し、民間機260機の発注が確定。GCAPプロジェクトの最新モックアップがお披露目され、順調に進行中。

英国は2035年配備でGCAPに参加することを確認。日本、英国、イタリアの国旗デザインが機体に映し出されるなど、協力関係が強化される。

GCAPは2025年から本格的な設計・開発段階に入り、2035年以降も継続的な開発活動を行う予定。

日英伊の次期戦闘機、ファンボローで新モックアップお披露目「25年は重要な節目」

 偶数年にロンドン近郊で開かれるファンボロー航空ショー。45回目となる今回は現地時間7月22日から26日まで開かれ、主催者側のまとめで815億ポンド(約16兆円)相当の取引が成立し、民間機は最初の4日間のトレードデーで260機の確定発注が入った。一方、防衛分野では日英伊3カ国が共同開発する次世代ステルス戦闘機プロジェクト「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」の最新の実物大モックアップがお披露目され、プログラムが順調に進んでいることを強調した。

 7月に発足した英国のスターマー政権が、GCAPの共同開発を見直す可能性を報じたが、23日に英国防省で開かれた日英伊の防衛相会談では、GCAPの配備は従来通り2035年配備で一致した。

 ファンボローでは、初日の22日に最新モックアップが披露され、日本と英国、イタリアの国旗や各国に引き渡されるデザインをイメージした映像が機体に映し出された。デルタ翼を採用し、従来よりも翼面積を広げた形状になっていた。

 22日の会見には、英BAEシステムズ、伊レオナルド、三菱重工業(7011)のGCAP担当者が出席。BAEの未来戦闘航空システム担当マネージング・ディレクター、ハーマン・クレーセン氏は「日本やイタリアとの協力関係は非常に補完的だと感じている。それぞれが強みを持ち寄り、それぞれが長年にわたって投資をしてきたものを、このプログラムに結集させて解決策を構築し、創造していきたい」と述べた。

 GCAPは、2021年から25年までが3カ国によるコンセプト策定と評価、2025年から35年が共同設計と開発、2035年から60年以降が生産期間となる。また、2035年以降も継続的に開発を続けていく。

 今回新しいコンセプトモデルを発表したことで、2025年は政府と産業界の共同作業体制によ設計・開発段階の開始を計画。「2025年という年は、私たちにとって非常に重要な節目であり、事実上、開発活動の設計が全面的に開始される時期だ」(クレーセン氏)と、来年からの本格開発に向けて各国政府や企業間の調整を進めていく。