ヤマハ、自動変速機構「Y-AMT」を新開発 2024年内に国内発売予定の「MT-09 Y-AMT」に搭載

AI要約

ヤマハ発動機は、2024年内に国内発売予定の新製品「MT-09 Y-AMT」に自動変速トランスミッション「Y-AMT」を搭載することを発表。

「Y-AMT」は、二輪車の発進・変速操作を自動化し、クラッチレバーやシフトペダルを廃したシステムで、高度な制御を備えている。

新システムは、MT車の魅力を損なうことなく、自動化と手動操作の両方を備えたモード切替が可能である。

ヤマハ、自動変速機構「Y-AMT」を新開発 2024年内に国内発売予定の「MT-09 Y-AMT」に搭載

 ヤマハ発動機は7月26日、2024年内に国内発売予定の新製品「MT-09 Y-AMT」に搭載する、自動変速トランスミッション「Y-AMT」を開発したと発表した。「Y-AMT」は、二輪車の発進・変速操作等を高度な制御で自動化、クラッチレバーやシフトペダルを廃した。

「Y-AMT」は、MT車でのギヤチェンジで行なわれる、左手によるクラッチ操作と、左足によるシフト操作をアクチュエーターが担うことで、ギヤチェンジを自動化したシステム。

 ベース車両のMT変速機構に、シフト操作を行なうシフトアクチェーター、クラッチ操作を行なうクラッチアクチュエーターなどを搭載したのが、「Y-AMT」の基本となる構成で、ユニット重量は約2.8kgと軽量かつスリム・コンパクトな設計とし、ベース車両本来のスタイリングやハンドリングへの影響を最小限に抑えた。

 ギヤチェンジに際しては、ECU(エンジンの制御を司るエンジンコントロールユニット)とMCU(アクチュエーターの制御を司るモーターコントロールユニット)が通信で連携。ECUは、シフトアップ時のエンジン点火/噴射、シフトダウン時の電子制御スロットルなどをコントロール。またMCUは、最適なシフト操作/クラッチ操作をアクチュエーターに指示する。

 高回転時にはクラッチを完全に切らない状況に応じた最適な制御や、シフトロッド内へのスプリング挿入による変速時間の短縮、前述のエンジン制御とクラッチ制御の協調等により、素早いギヤチェンジと変速ショックの低減を両立。ライダーの意思に沿った自然な変速フィーリングを実現させたとしている。

 シフト操作は手元のレバーに集約され、ハンドシフトによる「MTモード」に加え、変速を自動化する「ATモード」を備えた。モードの変更は、ハンドルスイッチボックスに備えた切替ボタンで行なえる。

 ベースとなるMT車の変速機構に大きな変更を加えることなく、人の操作をメカニズムが代替するため、MT車の魅力であるダイレクトな変速フィーリングや小気味よさはそのまま引き継がれるとしている。