〔東京外為〕ドル、152円台後半=2カ月半ぶり安値、実需売り優勢(25日正午)

AI要約

東京外国為替市場でドルが152円台後半に下落し、安値を記録。日銀の利上げ思惑や米株安による円買いが影響。

市場では海外投資家の円売りポジションの巻き戻しが進行。日銀の金融政策決定会合での利上げに注目。

ユーロは対円で下落、対ドルでは横ばい。正午現在のレートを示す。

 25日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需の売りなどが優勢となり、1ドル=152円台後半に下落した。一時、152円50銭付近まで下押し、5月3日以来約2カ月半ぶりの安値を付けた。正午現在は152円62~63銭と前日(午後5時、154円58~59銭)比1円96銭の大幅ドル安・円高。

 前日の海外市場では、欧州時間に154円近辺まで軟化した後、米国時間序盤には日銀の利上げに対する思惑に加え、米株安を受けたリスク回避の円買いなどが膨らみ、153円10銭付近に急落。その後は押し目買いや米長期金利の上昇に支援されて154円台に持ち直したが、買いは続かず、終盤は154円前後の小幅なレンジでもみ合った。東京早朝は売りが先行し、153円50~70銭台で推移した。

 海外の流れを引き継ぎ、東京時間は153円90銭台で始まると、「実需のドル買いで上昇するとの思惑から、輸出企業が早めにドル売り・円買いに動いた」(資産運用会社)とみられ、仲値公示に向けて152円80銭台に急落。調整買いが入り、戻りを試す局面もあったが、ドル売り優勢の流れは変わらず、正午にかけては152円50銭台まで水準を切り下げる展開になった。

 政府・与党幹部から日銀の利上げ容認発言が相次ぐ中、市場では「海外投資家を中心に円売りポジションの巻き戻しが加速している」(同)と指摘される。「日銀が来週の金融政策決定会合で利上げをするかしないか」(国内銀行)に関心が集まる中、「結果判明まではポジション調整の円買いが入りやすい」(同)との見方が増えている。

 ユーロは朝方に比べ対円で下落、対ドルで横ばい。正午現在、1ユーロ=165円44~45銭(前日午後5時、167円41~43銭)、対ドルでは1.0839~0840ドル(同1.0829~0831ドル)。