新入社員が青ざめた…慣れない「飲み会の幹事」でパニック、上司からのまさかのダメ出しに「もう会社辞めちゃおう」

AI要約

新入社員が突然納涼会の幹事を任されてしまい、慌てて準備することになる事例を通じて紹介。

幹事としての責任や失敗のリスク、準備の大切さなどが示唆されている。

宴会の幹事を任される際には、慎重に計画を立てる必要があることがわかる。

新入社員が青ざめた…慣れない「飲み会の幹事」でパニック、上司からのまさかのダメ出しに「もう会社辞めちゃおう」

日本全国で次々と梅雨明けが宣言され暑い日がつづく中、「暑気払い」などの宴会を考えている会社もあるだろう。では、その「幹事」は誰がやるのだろうか? 深く考えずに新入社員に頼むと思わぬ騒動が起きてしまうかもしれない。事例をもとに、社会保険労務士の木村政美氏が解説する。

A山さん(22歳、仮名=以下同)は、大学卒業後甲社(都内にある精密機器メーカーで従業員数300名)に入社、総務課(メンバー数20名)に配属された。

6月下旬の午前中、自席でパソコン作業をしているA山さんの元に、B沼総務課長(35歳)がやってきた。

「私が頼んだ仕事は順調に進んでる?」

「はい。今日中には出来上がります」

「よかった。ところで7月の第3金曜日、仕事が終わってから、有志で総務課の納涼会をするから幹事頼むね」

「幹事……ですか?」

「そう。総務課では新入社員がこれから1年間、課内で集まる宴会の幹事をする決まりだ。どんなことをすればいいか、詳しいことはC村さんに聞くように」

午後、A山さんはC村さん(A山さんの先輩で昨年4月入社)に、納涼会の幹事を任されたことを話し、どうすればいいかを尋ねた。

「まずは、会場になる店を探さなくっちゃ」

「先輩、店ってどうやって探せばいいですか?」

「グルメサイトで検索して、良さそうな店を予約すれば? 会社の近くには飲食店がたくさんあるから選ぶのには苦労しないよ」

そして【有志でもほとんどのメンバーが参加すること、2時間飲み放題付きで予算は1人5,000円以内であること、飲み放題のメニューにはB沼課長が好きな生ビールとワインがあること、会社から店までは徒歩10分圏内の距離であること、食事は和・洋・中いずれもOKだが、個室が取れること】など細かい条件を教えてくれた。

「おっと、忘れないように言っとく。B沼課長って結構お店選びにはうるさくて、毎回違う店を予約しなきゃいけない。後で自分が幹事の時に使ったお店のリストを渡すから、違う店を見つけてね」

「はい」

そしてC村さんは幹事の仕事の手順を簡単に説明した。

大学時代はサークルやゼミに入っていたが、新型コロナの影響で飲み会がほとんどないまま卒業したし、その上、お酒が飲めないので友人ともほとんど飲みに行ったことがないA山さん。にもかかわらず、いきなり宴会の幹事をするとは、あまりにもハードルが高かった。

B沼課長の命令なので断ることはできず、C村さんにもっと相談しようと思っても忙しそうで声をかけづらい。悩んでいても仕方がないのでグルメサイトを片っ端から検索しまくり、1週間後、会社から徒歩10分で、最寄り駅のそばにある新規開店したばかりのイタリアンレストランを見つけた。案内では【パーティーコース5,000円】の設定があり、パーティールームが使えると書いてあった。

「ドリンクメニューに生ビールとワインがあるし、料理もローストビーフがメインとはおいしそうだ。今までイタリアンの宴会はなかったし……。ここに決めた!」

A山さんは店に21名で予約を入れ、メンバー達に告知した。

そして納涼会の当日。17時に仕事が終わるとA山さんは一足先にレストランへ向かい、着いたその時携帯の呼び出し音が鳴った。

「もしもし。C村です。2名が急に行けなくなったので、店側にキャンセルをお願いします」

A山さんはそのことを店のオーナーに話すと、食事分のキャンセル料として1人2500円払ってほしいと言われ、想定外の事態にA山さんの頭の中は真っ白になった。