「オルカン+α」のNISA投資戦略! 指数以上の成績を狙うアクティブ型投資信託と「全世界株型(オール・カントリー)」を組合せるのも手

AI要約

オルカンは全世界株型の投資信託で、低コストで世界の株に投資できる商品。投資を効率的に行うためには、米国株の比率を調整することが重要。

若年層は長期スパンでの投資を考え、日本や新興国株を組み合わせてリスク分散を図る戦略も有効。成長投資に興味がある場合はアクティブ型投資信託を検討することも大切。

日本株の比率を高めたい場合は中小型株のアクティブ型投資信託を選ぶことが推奨されており、運用実績の良い投資信託を選ぶことが重要。

「オルカン+α」のNISA投資戦略! 指数以上の成績を狙うアクティブ型投資信託と「全世界株型(オール・カントリー)」を組合せるのも手

 全世界株型の投資信託、「オルカン」(オール・カントリー)。名前の通り世界の株に投資できて、低コスト。新NISAで大人気の商品だ。このオルカンにどんな投資信託を組合せたら、より効率的に利益を出せるのか? 

 そこで、プロが考えるオルカン+αの投資戦略を大公開!  ファイナンシャル・プランナーで、ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんにオススメの投資法を聞いた。

 ※「オルカン」は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称として商標登録されているが、ここでは全世界株型インデックス投資信託の総称として使っている。

●インデックス型投資信託はあくまで市場の平均値

好成績のアクティブ型投資信託で指数以上の成績を狙え

 「余裕資金で投資をする前提で、オルカンへの投資で考えるべきことは、約6割を占める米国株の比率をよしとするか。米国への偏りに不安があるなら、日本や新興国などほかの地域の割合を増やすといいでしょう」(ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さん)

 特に、今後20~30年の長期スパンで投資を考えないといけない若年層は、世界の勢力図の変化に対応する必要がある。日本や新興国株を組合せて、米国の割合を5割、4割まで落とす戦略もアリ。投資をするなら日々のニュースに敏感になり、自分で考える力を養うことも大事だ。

 「また、インデックス型投資信託は市場の平均値を取る商品です。平均以上の利益をあげたいなら、成長投資枠でアクティブ型投資信託を買うのもひとつの手です」

●日本株の比率を高めたい場合は国内の

中小型株のアクティブ型投資信託を組入れよう

 例えば、日本株の比率をもう少し厚くしたいなら、深野さんは国内の中小型株型のアクティブ型投資信託の組入れをオススメする。

 「大きな利益を得ている投資家は、多くの人がまだ目をつけていない中小型株を買っていることが多い。ただ、個別株投資でこれぞという中小型株を探し当てるのは至難の業。そういうときは、好成績のアクティブ型投資信託を買って、運用はプロにお任せという考え方でいいと思います」

 アクティブ型投資信託はコストの高さが問題視されることがある。これに対し、「そのコストを差引いても高い運用実績をあげている投資信託はあります。アクティブ型投資信託は商品選びが重要」と深野さん。そこで、好成績な投資信託を毎年発表するザイの「NISA投信グランプリ2024」の受賞投資信託などを参考にしてほしい。

 ■ダイヤモンド・ザイNISA投信グランプリ2024の日本中小型株部門の受賞投資信託

 

 投資信託名

運用会社名

 信託報酬

(税込)

 5年の上昇率

 最優秀賞

ニッポン中小型株ファンド三井住友DSアセットマネジメント

 1.82%

 100.2%

 優秀賞

イーストスプリング・ジャパン中小型厳選バリュー株ファンドイーストスプリング・インベストメンツ

 1.68%

 119.6%

 優秀賞

スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド[愛称:価値発掘]スパークス・アセット・マネジメント

 1.91%

 81.1%

 優秀賞

りそな日本中小型株式ファンド[愛称:ニホンノミライ]りそなアセットマネジメント

 1.98%

 82.2%

 優秀賞

日興中小型グロース・ファンド日興アセットマネジメント

 2.06%

 85.3%

 ※データは2024年5月末時点。

●オルカンより米国株の比率を上げたいなら30銘柄で構成される

「NYダウ」連動のインデックス型投資信託がオススメ

 反対に、米国株の比率を高めたいなら、NYダウに連動するインデックス型投資信託が要注目とのこと。

 「NYダウは米国を代表する30銘柄で構成されます。好成績を維持するため、機動的に銘柄入替えを行っているアクティブ型のような指数です。そのうち米半導体メーカー大手のエヌビディアが組入れられるかも、と注目しています」

 ※本記事は「ダイヤモンド・ザイ」2024年8月号から一部抜粋・再構成したものです。