年金収入が「月10万円」ですが、働くと「住民税非課税世帯」ではなくなりますか? 月いくらまでなら“損”にならないでしょうか?
住民税非課税世帯のメリットについて
年金生活者支援給付金の支給条件
介護保険料が減額される条件と高額療養費制度の特典
年金収入が一定額を下回っている世帯は住民税非課税世帯に該当し、税金や医療費などが優遇されます。
しかし収入が少ないと生活が困窮するため、非課税の優遇は受けつつもパートやアルバイトなどで収入を得たい人も多いはずです。
では、住民税非課税を維持しつつ、パート・アルバイト収入を得るには、一体いくらまで労働収入を抑える必要があるのでしょうか。
本記事では、住民税非課税世帯のメリットと住民税が発生する条件についてみていきます。年金を得ながらパートなどで働くことを検討している人の参考になるはずです。ぜひ最後までご覧ください。
住民税非課税世帯になることで、主に次のようなメリットが得られます。
・年金生活者支援給付金の支給
・介護保険料が減額される
・高額療養費制度の限度額が低くなる
◆年金生活者支援給付金
年金生活者支援給付金は、年金などの収入が一定額以下の年金受給者を支援する目的で設けられた制度です。本制度に該当する人は、月額5310円(2024年度)を基準に、保険料納付済み期間などに応じた金額が支給されます。対象となる人は次のとおりです。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・「前年の公的年金等の収入金額」と「その他の所得(給与所得など)」との合計額が、77万8900円以下
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
◆介護保険料が減額される
住民税非課税世帯の場合、65歳以上(第1号被保険者)が支払う介護保険料が減額されます。金額は各自治体によって異なり、中野区の場合は第5段階よりも最大3割程度の保険料に減額されます(図表1)。
<図表1>
中野区 介護保険料の決め方と納め方
◆高額療養費制度の限度額が低くなる
高額療養費制度とは、病院や薬局の窓口で支払った費用が、1ヶ月(月の初めから終わりまで)で自己負担の上限額を超えた場合に、超えた部分の金額が戻ってくる制度です。自己負担の上限額は図表2のようになります。