おすすめの電力会社、トップはガス会社。「新電力」の人気には陰りも…

AI要約

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションによる調査では、電力業界におけるネット・プロモーター・スコア(NPS)に基づいたランキングが発表され、新電力事業者が注目されていることが分かった。

調査結果によると、東日本部門では東京ガス、西日本部門では大阪ガスが最も推奨される電力会社となり、企業の信頼性や契約プランの選択肢などが重要視されている。

一方、新電力事業者の評価は下降傾向にあり、一般電気事業者のNPSは向上していることから、市場の動向が変化していることが示唆されている。

おすすめの電力会社、トップはガス会社。「新電力」の人気には陰りも…

燃料費高騰による電力価格高騰や、補助金による値下げなど、電力業界の市場環境は目まぐるしく変化している。電気は差別化がしづらい商品ではあるものの、電力会社の「人気」には差がみられるようだ。

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは、電力業界におけるネット・プロモーター・スコア(NPS)※の2024年版のランキングを発表。

※NPS…「その商品やサービスを人に勧めたいかどうか」を数値化したもの。

東日本部門では東京ガス、西日本部門は大阪ガスのいずれも大手ガス会社が最も人に勧めたい「電力会社」となった。いずれも、電力市場の自由化によって電力事業に参入した、いわゆる新電力とよばれる事業者だ。

東日本部門では、auでんき、ENEOSでんき、J:COMでんき、ソフトバンクでんき、東京ガス、東京電力エナジーパートナー、東北電力、北海道電力の8社の契約者を対象に調査した。

最もNPSスコアが高かったのは東京ガスで、マイナス29.9。

2番目にはENEOSでんきがマイナス41.0で続いた。平均値はマイナス52で、最も低かった企業はマイナス72.9だった。

西日本部門の調査対象は、auでんき、大阪ガス、関西電力、九州電力、四国電力、ソフトバンクでんき、中国電力、中部電力ミライズ、北陸電力の9社。

最もスコアが高かったのは大阪ガスで、マイナス36.5だった。九州電力と関西電力の一般事業者がマイナス39.5で同率2位に並んだ。

調査結果によると、企業への「プラスの評価」を生む要因になっていたのは「企業・サービスの信頼性と安定性」や「自分にあった契約プランがあること」。他にも、「契約者専用ページの分かりやすさ・使いやすさ」などが上位項目に上がった。

「契約者専用ページの分かりやすさ」については、特に新電力において昨年度から重要視される項目になっているという。

反対に、企業に対するロイヤルティを阻害する項目になりやすかったのは、「利用料金の適切さ」といった料金面のほか、「自然環境・SDGsに配慮した企業姿勢」や「お客さまの声に耳を傾ける姿勢」などだった。

新電力事業者の推奨スコアには陰りも見える。

経年で比較すると、九州電力や関西電力などの一般電気事業者のNPSは向上している一方、新電力事業者は下降気味だ。両社の差は2020年時点では25.5ポイントあったが、2024年の調査では1.3ポイントまで縮んでいる。

一般電気事業者である大手電力会社においては、企業やサービスに対する信頼度の高さ。さらに、政府がこの春まで実施していた「電気・ガス価格激変緩和対策」による電気料金の値下げも追い風となり、スコアが上昇基調になったとみられる。