お金のプロが半年前に勧めた銘柄の勝敗を自ら検証…「最も上昇した銘柄&いまから間に合う銘柄」大公開

AI要約

新NISAがスタートして約半年が経過し、投資本に挙げられたお勧め銘柄の成績がどうなったのかが注目されている。

ファイナンシャル・プランナーの藤原久敏さんが『新しいNISA超入門』で紹介した12銘柄の中で、高配当株を厳選し、半年後の株価動向を検証している。

現在でも投資価値の高い銘柄が多く、新NISAでの超長期保有に適していることが示されている。

新NISAのスタートを機に投資本が数多く出版された。お勧め銘柄を挙げた著者も少なくないが、結果はどうなったのか。ファイナンシャル・プランナーの藤原久敏さんは「昨年末に出版した『新しいNISA超入門』で紹介した12銘柄の成績を自ら検証してみると、安定した成果が得られている。いまから投資しても遅くない銘柄も多いので参考にしてほしい」という――。

■半年前の「お勧め銘柄」結果はいかに⁉

 新NISAがスタートして、約半年が経過しました。

 一般には、低コストで、世界中の資産に分散投資する投資信託をコツコツ積み立てるのが、新NISA投資の王道とされています。

 しかし、直接、個々の企業に投資をする個別銘柄こそ、投資の醍醐味だと私は思っています。ただ、個別銘柄はリスクが大きいがゆえに、その銘柄選びには慎重になる必要があります。

 そこで私は、昨年末に出版した著書『新しいNISA超入門』にて、高配当株・優待株・割安/成長株の3ジャンルに分けて、それぞれ4銘柄、合計12銘柄を厳選しました。

 いずれも新NISAでの超長期保有を前提に、渾身の力を込めて、おススメしております。

 それから半年経った今、おススメした責任を持って、それらすべての銘柄の株価動向*を包み隠さず検証し、あらためて、紹介させていただきます。

 *紹介時(2023年11月22日)⇒現時点(2024年6月21日)の約半年間の株価変動。

■いまから新NISAで長期保有したい銘柄も「高配当株4銘柄」

 ★三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

 メガバンクの一角で、国内最大の民間金融グループです。

 配当金、純利益ともに順調に増加しており、メガバンクの中でも、総合力で頭ひとつ抜けている存在です。

 銀行にとって金利上昇は大きな追い風であり、また、海外比率が高いので円安の恩恵にあずかりやすいのも、大きなおススメ要因です。

 【株価】1264円⇒1547円(+22.4%)

 金利上昇が現実となりつつある中、また、円安がますます進む中で、株価はこの半年で2割以上、上昇しています。

 しかし大幅な増配のおかげで、配当利回りは今でも3%をゆうに超え、まだまだ十分に高配当株と言えるでしょう。また、株価は上昇傾向とはいえ、現時点でもPERは10倍強、PBRは1倍弱と、指標面での割安さは魅力的です。

 ★ソフトバンク(9434)

 通信会社(携帯キャリア)大手の一角です。

 おおむね安定した業績のもと、配当金も安定して出し続けています。また、通信事業以外にも、ヤフー、ZOZO、ペイペイなどの非通信も強化しており、事業の多角化を図っています。

 この将来を見据えた戦略は、新NISAでの超長期保有に向いていると言えるでしょう。

 【株価】1756.5円⇒1942.5円(+10.6%)

 株価はこの半年間で1割強上昇するも、配当金額が非常に高いため、その配当利回りは今なお4%台半ばと、非常に高水準です。

 なお、配当性向*は8割超とかなり高いものの、これは株主への「利益還元」に積極的な姿勢の結果として評価したいところです。

 *利益のうち、どれだけを配当金に回したのかの割合

 ★武田薬品工業(4502)

 国内製薬首位です。

 巨額買収により、世界規模の製薬会社へと成長し、今後、世界市場でのさらなる成長が期待できます。生活に欠かせない医薬品は、ディフェンシブ銘柄(景気動向に業績が左右されにくい銘柄)としても手堅く、新NISAでの超長期保有に向いています。

 【株価】4185円⇒4,028円(▲3.8%)

 株価は若干の下落となっていますが、その分、配当利回りは上昇し、現在、5%に迫る圧倒的な水準を誇ります。利益に多少の振れ幅があり、配当性向は非常に高いものの、30年間減配はされていません。

 これは、新NISAでの超長期保有においては、大きな安心材料と言えるでしょう。

 ★三菱HCキャピタル(8593)

 三菱UFJグループ系の大手総合リースです。

 高い収益力と長期の成長力で、安定配当を続けており、M&Aで海外展開加速、今後ますます、グローバル規模での高い成長力が見込まれます。現在、25年連続増配中と、連続増配銘柄の中でも指折りの存在で、ぜひとも、新NISAで超長期保有したい銘柄です。

 【株価】958.8円⇒1018.5円(+6.2%)

 株価はじわじわ上昇を続けるも、増配効果もあり、現在の配当利回りは4%弱と高水準です。また、最低投資額は10万円程度と比較的買いやすい水準であり、PER10倍強、PBR1倍弱と、指標面での割安さも魅力的です。