ついにIC乗車券も使えなくなったバスが出現!! 経費節減が要因だがバス運転士不足が遠因ってマジ!?
熊本のバス事業者がICカード乗車券を廃止すると発表したことで、ICカード乗車券のシステムや経済圏が瓦解するのではないかと衝撃が走った。
ICカード乗車券のシステム更新や新紙幣切り替えによるバス運賃箱の更新に金がかかりすぎることが問題になっている。
IC専用の券売機を設置して紙で二次元バーコード乗車券を発券するなどの代替案も考えられる。
熊本のバス事業者がICカード乗車券を廃止すると発表したことで、ICカード乗車券のシステムや経済圏が瓦解するのではないかと衝撃が走った。移行期間も周知期間もなく経費圧縮のためだけに廃止すればあきらめも反発もあるだろうが、他に手はなかったのだろうか。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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この問題は、ICカード乗車券のシステム更新や新紙幣切り替えによるバス運賃箱の更新に金がかかりすぎることか出発点だ。1台当たりの金額の大小はともかく、バス側に運賃収受の機能が付いている以上はバスの台数分の運賃箱をすべて一斉に更新する必要がある。10台や20台なら問題にはならないだろうが、大規模事業者だとこたえる。
そうでなくてもバス運転士が不足して待遇を上げようと考えている中で、1円でも余計な経費が削れるのであれば一刻も早く減らしたいのは理解できる。それも沿線住民の不便を承知の上で踏み切るのだろうから相当な覚悟が必要だっただろう。
鉄道であれば、ワンマン運転で無人駅しかない路線ならば車両側に運賃収受のシステムが必要だが、そうでなければ通常は駅に改札機と券売機があればそれでよい。複数台設置するにしても駅の数だけだ。バスはそうはいかない。
ある日を境にICカードや現金が使えなくなるということはこれからもあちこちで出てくるだろう。しかし鉄道や街中で電子マネーとして使えるICカードの利便性は高く、なんとか併用できないのだろうか。
たとえば、現金を扱わないのですべてのバス停にIC専用の券売機を設置して紙で二次元バーコード乗車券を発券すれば、乗客はいちいち乗車券を購入しなければ乗れない不便はあるものの使えなくなるわけではないので、まだマシなのかもしれない。
事業者側もバスの台数分ではなく、バス停の数だけなので経費は圧縮されることが考えられる。もちろんバス停対応の券売機を開発したり、電源を確保したりとそれなりの苦労はあるが、それは生みの苦労なので地域の事業者が共同して行政が補助してやればよい。
セキュリティ上の問題はないとは言わないが、現金を扱わないので飲料水の自販機よりは管理はしやすいだろう。要はIC読み取り機と運賃表とタッチパネルと印刷発行機と通信機能があればいい。二次元バーコード乗車券であれば感熱紙で構わないので、インクも磁気紙も不要だ。